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中国一、子供が誘拐される街4

2007-05-10 15:36:55 | Weblog
 写真は昆明でよく売られている砂糖にあんこをはさんだお菓子。甘いお菓子も誘拐の道具に使われる。
 お菓子には意味不明の日本語がよく印刷されているが、ひらがなは「かっこいいもの」で、日本のものは「いいもの」と認識されているためだ。
 袋がパンパンに膨れているのは昆明の海抜が高いため。低地で袋詰めされた菓子が気圧の変化で膨れてしまうのだ。昆明ではよく見られる現象である。

【酷暑にばてる捜査員】
 公安もなかなか実態にたどりつけないので、誘拐された子の奪還は困難をきわめた。そこで8月も半ばになると弁解記事のようなものが新聞に登場するようになった。それは、こんな内容だ。

 「2004年夏、涼しい高原の昆明から酷暑の福建、広州へ子供の奪還のため出張した公安の人々。暑さで次々にばてながらも、捜査を進めている。ようやく誘拐された子供の家を突き止め、訪れても、小さな男の子の赤ちゃんを必死に抱きかかえて逃げる女性や、近所の人々の「もともとあの家の子だ」という嘘の証言に阻まれ、なかなか捜査が進まない。」

 捜査員が暑さでばてきった状況が目に浮かぶ。またこんな記事もあった。

 「奪回した赤ちゃんの面倒を見るため、制服姿の若い『マーマ』がミルク飲ませや寝かしつけに大忙し。」

 日本では暑かろうと寒かろうと、警察というものは捜査をするのが仕事、当たり前のことだと思うだろう。だが、昆明の人たちはこれらの記事を「弱音を吐くなんて情けない」と憤るどころか、「大変なのだなあ」という同情心を持って読んでいるのだ。昆明をよっぽど居心地のよいところ、と感じているのだろう。
 タクシーの運転手にも「私は他省から来ましたけど、昆明は最高ですよ。暑くもなければ寒くもない。有史以来、台風も地震もなかったっていうじゃありませんか」と自慢されたことがある。
 ちなみに昆明では地震がないが、雲南省全体では大きな災害をもたらす地震が毎年、数件起きている。

 ところで同情記事ではなく、誘拐のからくりを解き明かすような骨太の記事はたいてい北京発の新聞からの転載だった。昆明の記者も、暑さには弱いらしい。
コメント
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