たにしのアブク 風綴り

85歳・たにしの爺。独り徘徊と喪失の日々は永い。

六本木のエルミタージュから乃木坂のミシャ展まで

2017-06-10 12:38:34 | 展覧会・美術展

久しぶりに上京してきました。先月の2017年5月31日・水曜日のことです。
雨模様という天気予報で人出も少ない穴場の日と思って、
名画巡りの一日とするつもりでした。

まず、六本木ヒルズの森アーツギャラリーで開催中の、
――オールドマスター西洋絵画の巨匠たち
「大エルミタージュ美術館展」――へ向かいました。



ウィギリウス・エリクセン《戴冠式のロープを着たエカテリーナ2世の肖像》、
ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》

 

ジャン=オノレフラゴナールとマルグリット・jyェラール《盗まれた接吻》、
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《受胎告知》

 

メトロ日比谷線の1Cの改札を出て、地下コンコースを辿って、
六本木ヒルズの一階玄関にたどり着きました。このヒルズには、
駅から地上道路を来ても、地下通路のエントランスから来ても、
帰りの際にも、いつも「迷い道」感覚に襲われます。



ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、
ずーっと思い続けていながらいまだ実現出来ない、
「サンクトペテルブルク訪問」の代替えになりました。



女帝・エカテリーナ2世が34年の治世の間に収集した絵画作品のなかから、
オールドマスターというのは、16世紀ルネサンス時代のティツィアーノ、
クラーナハなどから、17世紀のレンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクを経て、
18世紀ロココのヴァトー、ブーシェなどに至る巨匠たちのことだと知りました。



ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》や、
アントワーヌ・ヴァトー《困った申し出》など、
オールドマスターの絵画を堪能しました。残り会期は6月18日まで。





52階の窓からリッツカールトンホテルなど赤坂方面を俯瞰して、
乃木坂の国立新美術館の曲面ガラス壁と屋上をパチリと撮りました。
5階のレストラン街でウロウロしながら、まあ、それなりのランチをしました。



正面玄関に下りて六本木交差点から、竜土町美術館通りへ辿りました。
超久しぶりにこの通りを通りましたが、あまりの変貌ぶりにびっくりしながら、
国立新美術館に着きました。「なんだ、この行列は」思わず立ち止まりました。



「国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業、ミュシャ展」を見に訪れた人の波でした。
「入場まで80分」のプラカード。係員に聞きました「今日中に入れるのですか」。
5時までには入れるでしょう、という。



チェコの画家のフアンがこれほど日本には居たのかと、改めめて感銘しました。
係の人に聞きましたら、ここ何日もこういう状態です。
この先会期一杯はもっと混むと思いますよ、ということでした。



狙い目は早朝一番か、入場締め切りの最後に入ることだという。
前売り券を持って行ったのでしたが、一時間以上立ちんぼして入場しても、
人垣越しの鑑賞は疲れるので、アルフォンス・ミュシャの大作、
チェコ国外での世界初公開「スラブの叙事詩」は諦めて帰りました。
同展は5日をもって終了しています。



久しぶりの六本木界隈は刺激的でした。
道野辺のナシ園の周りを徘徊しているたにしの爺にとっては異世界でした。
東京ミッドタウン、リッツカールトンホテル、サントリー美術館、この界隈は、
爺の20歳後半は、「防衛庁」「生産技術研究所」「健保会館」「竜土軒」など、
竜土町辺りが仕事での出没エリアでした。まったく当時の面影はありません。
新美の庭から見た「六本木ヒルズ」



50年近くも前の記憶の街に美術館巡りに出かけた爺は「語りかける人もなく」、
歩き疲れてメトロ千代田線で大手町、東西線で西船橋と、
当時、利用していた通勤ラインで帰宅しました。「良かったな~」
お土産に買った「チェブラーシカ」のハンカチです。



長々とグダグダと書きましたが、最後まで読んでくださってありがとう。