手に汗握るマッチレースとなりました、今日のインドア・クロス、男子1800m(30歳以上45歳以下の部)。この年代のブカレスト・ナンバーワンのステファン(つねに先行、黒のユニフォーム)は42歳、続くジョルジュ30歳。インドア・トラックは1周180m、これを10周するのが今日のクロス。
いつもいっしょにトレーニングしている仲間達です。と言うか、ナンバーワンのステファンにあこがれ、少しでも近づきたいと一生懸命、追いかけているのがジョルジェ。ステファンもその熱意に打たれ、いつも練習に誘ってあげて、スピードトレーニングを一緒にしてもらっているのがジョルジュ。
スタート直後からつねにジョルジェがステファンの1~2m以内差につけています、最初は付くことができても、そのうち離れていくのが力の差、というもの。トラックの5000mレースでも、2週間前のクロスカントリーでも、最初は付いていたけれど中盤までに離れて行ってしまうジョルジェを何度も見ていました。
が、今日はとことん付いています、距離が短いせいもあるかな。
7~8周目でちょっと離されかけたけれど(3m差くらい)、それ以上離れません。最後の周回に近づいて、ジョルジュがまた追い上げてきました。ラスト直線60m、ジョルジェがステファンに並ぼうとしています、そしてゴール手前で並び、追い上げてきたジョルジュがステファンの背中を押すようにしてゴール。
着順判定では、やや後方からステファンの背中を押してゴールしたジョルジェは2位、ステファンがどう見てもゴールテープを切ったようです。とにかく、素晴らしいレースでした。
表彰式で二人の写真を撮りたい、と出向いていったら、なにやらもめています。「ジョルジェのラストスパートは素晴らしかった、僕の背中を押すことをしなかったら、ジョルジェが一番でゴールしていた。」というステファンと、「誰が見てもナンバーワンはステファンだ。」というジョルジェ。これは珍しい、1位の譲り合い。
主催者側も二人の譲り合いに仲裁しかねています、が、先にゴールしたのは誰が見てもステファン。ステファンが1位と判定され、スポンサー提供のプーマ・シューズをゲット。2位以下はプーマのTシャツ。ジョルジェはTシャツをもらって清々しくその場を立ち去り、ステファン・ファミリーがまだ、表彰式会場に残っています。
「ファニー(=ステファンの愛称)、そのプーマシューズを44サイズに変更してもらったら!」~ロディカ奥さまから声が掛かりました。ステファンは42くらいのサイズ、44に変更するのは、息子さんたちのサイズなのかな?
賞品のプーマシューズを44サイズに変更してもらったステファン、そのシューズを携えて真っ先にジョルジェのところに。「これは、君のものだよ!」~ユーロサイズ「44」は、ジョルジェのサイズだったのです。
が、これを受け取るようなジョルジェではありません、「いつもいっしょにトレーニングしてもらって、これ以上の感謝はないのに。」と、ステファンが実力者であることを強調。ここでもすったもんだ、どうしても受け取らないジョルジェ。・・・ステファンもあきらめざるを得ません。このいきさつを見ていた主催者側のスタッフがまた、ステファンの足のサイズに変更してくれました。
通常は1位を奪い合うのが競技会というもの、でも、私のラン仲間は違いました!ジョルジェもステファンもごく身近なラン仲間、いつも彼らの取り組む姿勢に学び、私も切磋琢磨したいと仲間に入れてもらっています(もちろん走力が違いすぎるので、いっしょに走ることはありませんが)。この二人のスポーツマン・シップ、そしてロディカ奥さまのスポーツウーマン・シップ。私は目が腫れあがりそうなくらい、涙がたまっています!!
ステファンのスポーツマンシップ:
ジョルジェの追い上げに、一言も言い訳しないステファンですが、今日は朝からスタッフとして60mの部の着順判定員、昼からのクロスでもゴール地点係員として働いていました。ほとんどウォーミングアップなしに自分の種目に出走。身体が十分に動くはずも無く、力を出し切れるわけのないレースですが、つねに先頭を引っ張り、ナンバーワン実力者の心意気を見せてくれました。
ロディカ奥さまも実力者:物申すことのできる、スポーツマン・シップ
(グリーンのTシャツがスタート直後のロディカ)
今日のインドア競技会、種目は60mと1800mのクロス。普段ほとんどトレーニングする時間のないポリス・オフィサー、ロディカは「1800mは私の種目じゃないわ。」と60mにエントリー。スタートダッシュで出遅れたものの最後で追い上げ、胸の差トップゴール。
複数の着順判定員によるとロディカが1位、胸の差で2位が続いています。ここで2位と判定された女性からクレーム、「私が1位に決まっているじゃない!!着順判定は誤っているわ!」(=スタートダッシュで速かった女性)。
この女性からのクレームを受け入れ、「決勝戦」をもう一度行おうと提案したスタッフに対して、ロディカ奥さまは断固拒否。
「着順判定は私が1位。ファイナルは何度も行われるものではない!」~これもまた、しかり。ファイナルとなれば力の入れようが変わってきます、そこでの着順判定は、決定打たるもの。胸の差で敗退した2位からのクレームは負け犬の遠吠え、受け入れる余地なし。
/@Bucureşţi
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