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一口馬主生活の喜怒哀楽

能登半島紀行 観光編の2

2010-04-26 22:51:39 | 日記
満開の桜を十二分に満喫した後は、
ご当地の旧家、十村役(とむらやく)喜多家へ。

喜多家自体は源氏の名門、新田義貞の三男の直系で、
この地に流れ着いた折、武士の身分を捨て、
苗字を「喜多」に改名し、住み着いたのが始まりだとか。

そしてこの「十村役」という制度は、加賀藩独自の制度で
代官所(武士)と大庄屋(町人)の二つが合わさった機能を持ち、
武士と町人が同じ屋根の下(厳密には屋根も分かれていた)で
仕事をするという、身分制度が厳格だった当時としては
とても珍しい形態のお役所らしいです。

このような説明を喜多家のご当主自ら、お話して下さいます。
その語り口は軽妙にしてユーモア溢れ、
難しい歴史のお話なのにまったく飽きが来ませんでした。

余談ですが、敷地・建物が重要文化財に指定されており、
その維持もかなりご苦労されているようでした。
例えば、改修工事は勝手には許されず、
少しずつ直すこともできないので、大規模になりますが、
なんとその2割は個人負担だそうです。
ちなみに前回の大規模修繕工事の総工費は3億を超えており、
その2割(6000万)を個人に負担させるなんて、
日頃、重要文化財と無縁な生活の私には想像もつかないことでした。



では、喜多家の建物のご案内です。





喜多家の表門。
外塀からこの表門を通って敷地内に入ります。
敷地は、外塀の土台の高さから、1.5mほど掘り下げてあり、
全体に「海亀」の形をしているのだとか。
道路からわざと低くして建物を建てるなんて、
現在の常識からは考えられませんが、
加賀藩は外様大名なので、江戸の目を気にして、
目立たないような造りにしているそうです。
(地盤が砂地のため、水はけが良く、洪水等の心配はなしとのこと。)





表門を通って、敷地内を下ると、この「総門」があります。
総門の屋根は萱葺屋根です。



    

総門(表)
この門は、800年以上経っている、古い建造物です。





総門(裏)
裏から見るとこんな感じです。





母屋の全景です。
母屋には4つの玄関があって、
右から、「十村玄関(町人専用)」、
「表玄関(下級役人武士用)」
「小武台玄関(上級役人専用)」、
「大武台玄関(お殿様専用)」と、
利用者によって分かれており
町人専用から段々に前の方へ出ている構造です。
(町人は武士より前に出てはいけないので
屋根も、武士(殿様専用含む)用の屋根と、
一段低い町人用の屋根に分かれています。
(この辺は身分制度が厳格ですね





重要文化財に指定されています。





十村玄関
母屋に向かって右奥にあります。
町人達はここから屋敷に出入りします。





表玄関
下級役人専用玄関。
玄関を入ってすぐのところに仕事場(5畳)が。





小武台玄関(上級役人用のいわゆるVIP玄関)
表玄関より間口は狭いのですが、
玄関から直接、畳に上がれる構造です。





大武台玄関
お殿様専用玄関です。
加賀の前田公専用ってことですが、色々工夫されています。
籠に乗ったまま、庇の下に入れる構造なので、
間口が2間半もあります。
(いわゆる「車寄せ」ですネ)

長くなりましたので、建物内部は次の記事にします。  ~ 続く ~
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