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『アウトレイジ』 初日舞台挨拶 鑑賞 

2010-06-12 23:59:40 | 映画~舞台挨拶(加瀬亮関連等)鑑賞
新宿ミラノへ、初日舞台挨拶付きの映画『アウトレイジ』10:20の回を鑑賞してきた  
もちろん、加瀬亮くんが出演しているから(笑) 

映画の詳細は、番宣等で既出だと思うので割愛  
北野監督も本日の舞台上で、
「番宣だけで、60本位メディアに出た。ぴったんこカンカンにまで出ちゃったよ(笑)」とおっしゃっていたし  
まぁ、超省略して言うと"暴力団の抗争"の話ですな(笑)

北野映画で思い出すのは、昔、たまたま時間を潰す為に入った丸の内の映画館で何気なく見た『ソナチネ』という作品 
途中から、鳥肌が止まらなかった  

沖縄の鮮やか景色を背景にした"映像美"と"狂気"と"静寂"
映画の始めから終わりまで、一定量の変化の全くない感情がずーと流れている感じ。
バイオレンスシーンでも、シュールに感じる。
映画自体が、二層になっている感じ。
たけしの顔がアップになって、笑うシーンは脳裏に焼き付いている。
この作品を見てから、北野作品は"映像美"、"狂気"と"静寂"…特に"静"の部分を意識して鑑賞するようになった。


『アウトレイジ』は…
暴力シーンオンパレードの中で、淡々としかし緊張感を持ったまま映画が進んでいき、あっと言う間に見終わったという印象。

監督も「騙し合い潰し合いは、特殊な世界の事だけではなく何処にでもある事で、見た人それぞれ当てはめて考えてほしい…」
という様な事を言っていたけど、
ビートたけし演じる"大友組組長"は、孫請け業者みたいなもので、
しかも"昔堅気"な所や"人のいい"所を"悪知恵の働く奴ら"に利用されているんだよなぁ。
普通の社会にも、普通に有る事。
しかし、その境遇を暴力を使いながらも、"甘受"している様な"諦観"している様な演技の"ビートたけし"  
そこから生まれてくる"静寂"が、北野映画の魅力なんだよなぁ。
この映画もそんな"静寂"が漂う作品だった。

とにかく率直な感想は、この手の北野映画を見ると、
北野武という人が"何かに屈折"していて"Mっ気"の有る人物だなぁって思って、今回もそう思った。
暴力シーンばかりがクローズアップされるけど、それは表面の幕で、その下にはもっと深いものが流れていると思うので、
暴力ばかりが強調されるのもどうかなぁとも思うけど…仕方ないか。


さて、舞台挨拶のレポ  

塚本高史くん、杉本哲太さん、國村隼さん、三浦友和さん、ビートたけしさん、椎名桔平さん、
加瀬亮くん、小日向文世さん、石橋蓮司さん、中野英雄さんの順で登場  
司会は、テレ東の佐々木明子アナ  

加瀬くんは、短髪で黒のスーツ  
映画の中では、"インテリやくざ"な役だったけど、今日は爽やかないつもの加瀬くんだった(笑)
生・加瀬くんは『おとうと』(詳しくはこちら)以来、小日向さんと並ぶと『重力ピエロ』(http://blog.goo.ne.jp/macoma64881/e/e53ecbb8ffb5c4b0403b930b64721ba6)を思い出す  

話していた内容は、"北野組には初参加でとても緊張した"、"途中で台詞が増えた"、"本を読むように行間を読んで、見て欲しい"…との事だった 
確かに、この映画は"行間を読んで見る"って言葉がぴったりだなぁ  

全体的に緊張した空気が舞台上に流れた気がしたが、女優さんが一人もいなかったからか(笑)

他に面白かった話としては、皆な主役であり脇役な映画なので出番を調整して椎名桔平さんが出るシーンを監督が演じた事や、
椎名桔平さんのベットシーンで、普段は演出の指示がない監督から"普通にやって"と言われた事、
基本的に監督はワンテイクOKで、俳優からリクエストしないと撮り直しが無く、
特に演技について指示もなく、現場で台詞を増やしたり…と、そんな撮影の様子が語られていた。

小日向文世さんは、監督はシャイな方で、朝挨拶しようと話しかけようにも目を合わせてくれず、
気がつくと、朝の挨拶なしに"お疲れ様"になっていた…と話しており、
石橋蓮司さんは、"70年代の金子信雄のような貫禄のあるやくざ~"と色々引き合いに出して面白い話をしていた。

塚本高史くんは、顔が小さくて足が長くて、椎名桔平さんは背が高くカッコ良く、三浦友和さんは恰幅が良くて貫禄があり、
小日向文世さんは、声が高めで独特のキャラを持っている人、
杉本哲太さん、國村隼さん、中野英雄さんは、テレビやVシネで見るままだなぁと思った。
北野監督は、恰幅が良く、やはり照れ屋な印象を受けた。

激しい部分だけではなく、加瀬くんの言う通り「行間を読んで」見てほしい映画だと思う  
見る人それぞれの"行間"で   


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