Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(375)

2021-05-20 00:10:00 | コラム
くるいざきさんだーろー「ど」→「ど」ついたるねん

自分が大好きなものふたつ、映画と格闘技が組み合わさったボクシング映画は最高だ。

という自分の趣味嗜好を「いったん」置いておいたとしても、映画とボクシングが相性いいのは誰もが認めるところでしょう。

サッカーやバスケットはもちろん、野球以上に。

そう思わん?

理由はけっこう単純なことで、競技全体がカメラのフレームに収まるから。

これ大事ですよ、極端な話、ショットを切り返して場面をつなぐ必要がないのだから。

もうひとつ。
3分×12Rの時間は設けられているものの、決着そのものは一瞬であったりするから。

これも大事、映画で描かれるスポーツの決着は、一瞬であったほうがいいのです。

スポーツではないけれど、いや、ある意味でスポーツかな、『ちはやふる』のシリーズ(2016~2018)が成功したのも、一瞬で決まる競技だからでしょう。


自分のなかで最強のボクシング映画は、外国なら『レイジング・ブル』(80)、日本なら『TOKYOFIST』(95)であるのは(おそらく)死ぬまで不動だけれど、
『ロッキー』のシリーズ(76~)が『クリード』(2015~)として再生したのは素晴らしい、スライはほんとうにすごいね。

そんなボクシングから、今年また新たな傑作映画が誕生した。

『BLUE/ブルー』…松ケン、柄本くん、東出くん。みんないい。ちゃんと身体も動きも、なかなかボクサーしている。




よい映画、とってもよい映画。
俳優さんにとってボクサーみたいな命を賭けたキャラクターって、演じがいがあるのでしょうね。


ただボクシング映画は湿っぽくなりがちで、
それはキャラクターの生きざまだったり、試合までの減量が過酷に過ぎるからかな、
ハリウッドが創る野球映画のような明るさとは無縁だったりする。

誰もが「そういうものだよ、ボクシング映画って」と思い込んでいたときに、『どついたるねん』(89)が現れた。



実際にボクサーだった赤井英和の自伝をもとに赤井自らが主演、阪本順治が監督を務めたこの映画に衝撃を受けた格闘技ファンは多い。

湿っぽさが感じられない、ひたすら陽気なボクシング映画だったから。

赤井自身が持つキャラクター性や、関西が舞台ということもあったのかもしれない、

いやそうではなくって、阪本監督が最初から「湿っぽくないものを」という目標のもと撮っていたような気がする。


湿っぽいのが苦手というひと、まずはここから始めてみたらいかが?





あすのしりとりは・・・
どついたる「ねん」→「ねん」りき。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(376)』
コメント (2)
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