にっぽん女優列伝（２５７）深津絵里

７３年１月１１日・４８歳。
大分出身。

公式プロフィール

『悪人』（2010）を観たウチの父親が、深津絵里（ふかつ・えり）さんは、

「ああいう役には細過ぎる。色気がなさ過ぎるんじゃないか」

という感想を漏らしました。

すかさず自分は、いやそれでいいと思う、だって、そこそこの容姿のはずなのに、ひどく内省的で孤独な役柄なんだよ。
豊満であったり、派手な感じがしてしまうと、男に縁がない背景に説得力を持たせられない。

あの生命力が弱い感じ、それが主人公と出会って、どんどん力強くなっていく、、、だから深津さんで正解だったと思うよと。



＜経歴＞

母は書家・深津諭美子。

堀越高等学校卒。
ミス原宿グランプリ。

映画俳優デビュー作は、８８年の金子修介監督作『１９９９年の夏休み』（「水原里絵」名義）。

萩尾望都による『トーマの心臓』を翻案、少女たちが少年たちを演じるという不思議な設定もウケて未だファンも多いＳＦ映画です。


さらにこの年、ＪＲ東海のＣＭ「クリスマス・エクスプレス'８８」に出演、脚光を浴びました。
このとき、まだ１５歳だったんですねぇ！！

『満月のくちづけ』（89）、『真夏の地球』（91）、『バースデイプレゼント』（95）、
ネットを介する恋愛をいち早く取り上げた森田芳光の『（ハル）』（96）。

テレビドラマでいくつか挙げるとするならば、印象に残るのは９８年の『きらきらひかる』（フジテレビ）ですかね。

しかし一般的には、その前年に放送が開始された『踊る大捜査線』（97、フジテレビ）の恩田すみれさん役になるのでしょうね。


映画でも『踊る大捜査線 ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ』（98）、第２弾の『レインボーブリッジを封鎖せよ！』（2003）、第３弾『ヤツらを解放せよ！』（2010）、そして最終作となる『ＴＨＥ ＦＩＮＡＬ 新たなる希望』（2012）に出演、
出来はどうあれ、それぞれが大ヒットを記録しています。

しつこいですが、中身はともかく苦笑、すみれさんのキャラクターはよかったと思うのです。
カップラーメンをこよなく愛しているところとか。


『スペーストラベラーズ』（2000）、『阿修羅のごとく』（2003）、『博士の愛した数式』（2006）、三蔵法師を演じた『西遊記』（2007）、『ザ・マジックアワー』（2008）、『ホノカアボーイ』（2009）、『女の子ものがたり』（2009）、
そして前述した『悪人』（2010）でモントリオール映画祭主演女優賞受賞、すみれ刑事のイメージからの脱却に成功しました。

『ステキな金縛り』（2011）、
『寄生獣』（2014）と『寄生獣 完結編』（2015）、
『岸辺の旅』（2015）、『永い言い訳』（2016）、最新作が『サバイバルファミリー』（2017）…と、長めのキャリアの割に意外と映画キャリアは少ないのですね。

ここいらへんで、『悪人』を超えるキャラクターに出会ってほしいなぁ！


次回のにっぽん女優列伝は、吹石一恵さんからです。

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明日のコラムは・・・

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