Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(374)

2021-05-10 00:10:00 | コラム
てい「く」→「く」るいざきさんだーろーど(狂い咲きサンダーロード)


語弊があるかもしれないけれど・・・
「これがあるから」、いま振るわなくても信奉をつづけるし「ひょっとしたらまたやってくれるかもしれない」という期待を捨てきれない、

そんな、カルト的な人気を誇る映画監督が居る。


たとえば『AKIRA』(88)の大友克洋、67歳。

たとえば『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)、そして『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(95)の押井守、69歳。

たとえば『青春の殺人者』(76)、そして『太陽を盗んだ男』(79)の長谷川和彦、75歳。


ね、それなりに歳だし、ここ10年は「真の話題作」を発表していないものの、信者は多いでしょう。

そして石井聰亙(いしい・そうご:現・石井岳龍)64歳もまた、そんな信者を沢山有し、新作が心待ちにされているひと。


地獄まで咲け、鋼鉄の夢―伝説的なカルト映画『狂い咲きサンダーロード』は80年、日本藝術学部の在校生だった石井によって制作された。

ものすごーーーく大雑把にいえば、日本の『マッドマックス』といったところか。


近未来を舞台としているし、その世界観については何万文字も費やして語ることが出来るものの、あらすじにおいては数行程度で済んでしまうところとか。

暴走族が暴走するアクションを、ハイテンション描写で描く・・・あっ、数行どころじゃない、1行で充分だった。

ってバカにしてないよ、しかし実際、そういうような映画だし。




主演は後年、長渕剛のドラマで有名になった山田辰夫。

おや、脇には小林稔侍も居るよ。


このパンク精神に共鳴した泉谷しげる、PANT&HAL、THE MODSなどが楽曲を提供し、大学生のインディーズとは思えぬ豪華なサウンドトラックが完成、
評判が評判を呼び、ついには全国劇場公開まで果たすことになる。

もちろん「才能」と「運」があってこそ―だとは思うけれど、こういうことがあるから、映画を創るという博打はやめられないのだと思う。

石井はその後、同郷の漫画家・小林よしのりのエッジな脚本を得て『逆噴射家族』(84)、
『水の中の八月』(95)、『五条霊戦記 GOJOE』(2000)などを発表、
そして2010年、石井岳龍に改名、当時の勢いは衰えたものの二階堂ふみを起用した『蜜のあわれ』(2016)などを制作し、その度に「あの『狂い咲き』の監督の新作…」というような宣伝が展開されている。

そのくらい、インパクトがあったということだよなぁ。。。


次回のしりとりは・・・
くるいざきさんだーろー「ど」→「ど」ついたるねん。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『一時停止中、かな。。。』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする