Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

畳とアスファルト

2016-02-26 00:10:00 | コラム
私服の保安員として窃盗や盗撮を取り締まっていたころ、神奈川系テレビ局の取材を受けたことがあった。

1日を密着するドキュメンタリー。
よく夕方のニュース番組でやっているアレね。

しかし。
ホームセンターで捕まえた生意気なガキに足蹴りを喰らわせてしまい、ディレクターに「すいません、ちょっとこういう暴行の場面は流せませんね…」といわれ、そのままお蔵入りになってしまった。

シュン・・・。

ガキを事務所まで連行し、テーブルの上に「盗んだものを出せ」というと、ソイツは開き直ったのか、商品をテーブルに叩きつけたのだ。

従業員が昼食を取る場でもある。

店長の視線もある。
ここの店長は「懲らしめ」を要求する傾向にあり、「なんなら殴ってもいい」という了解を取っている。

まぁ取っているからといって、なにをしてもいいことにはならない。
ならないが、多少はお灸をすえてあげないとね・・・と思って、べつに悪いこととも思わずにローキックを放ったのだった。

倒れこむガキ―テレビクルーには、ちょっと過激だったかな苦笑


まぁそんな具合だから、私服保安員としての自分は、成績は「そこそこ」だったものの、なかなかの問題児だったように思う。
そうなる前に防ぐのがプロなのに、逃げ出したヤツにタックルかまして、店の外で総合格闘技を始めてしまうわけだからね。

その結果が、この新聞記事だったりするのだけれど。。。




柔道をやっているひと、よく見ているひとは分かるだろうが、練習時のように「投げ技がキレイに決まる」ことは少ない。

練習時は、受け手も「投げられる体」でいるからね、
実戦では「投げられまい」とするのだから、当然キレイには決まらない。

畳やマットの上でもこうなのだ、これがアスファルトの上となったら、もうヒッチャカメッチャカで、なにがどうなっているのか分からない状況となる。

保安員のマニュアルには、捕捉時に「相手のベルトを掴むこと」とある。
こうしておけば、90%逃げることは出来なくなるから。

でも、声をかけると同時にベルトを掴むことは難儀で。
声をかけ、相手の反応を見てからベルトに手をかけるのが通常の手順。

しかし逃げるヤツは大抵、その前に逃げ出すんだよ。

だから追いかける。

こっちは向こうのことを「日給」と思って追いかけるわけだが、向こうにとってみれば捕まったら前科者になっちまう、だから必死さでいえばこっちが負けている―つまり追いかけっこには勝てない、、、まちがった考えかもしれないけれど、自分はそう思っていた。

元々、膝も悪いからそんなに全力疾走出来ないし。

そこで、得意の寝技に持ち込むためにタックルを仕掛けると。

店の外で大乱闘。
大人の男が寝転がって、バックを取って足でロックを掛けてパンチしたりチョークを狙ったり、回転体のごとくぐるぐる回って三角締め仕掛けたり肩固めの体勢を取ったり。
(このくだり、MMAを観慣れているひとにとっては絵に浮かび易いかも)

いつの間にか「ひとだかり」が出来ていたりして、これじゃあ私服で警備している意味がないじゃないか!! って、よくボスに怒られていたっけなぁ。

堪忍した窃盗犯・盗撮犯を事務所に連行し、警察を呼ぶと、どっちも衣服は乱れ、流血とかしているものだから、どっちがなにをやって警察沙汰になったのか「???」なことだろう。


あれは10年ほど前だから自分も出来たのであって、いまじゃ無理かな・・・と思ったのは、先日、スーパーで万引きをしている高校生を見つけてしまったから。

店の外で声をかけると時間を要するし、もし逃げられたら昔の癖? でタックルを仕掛け、大騒ぎになってしまうかも。

と思って、店内で「見たよ。しかもビールじゃん。元に戻したら、なにもいわない」と注意をして戻させた。


ふぅ、えがったえがった。
キミも自分も、怪我をしなかったわけだし。


※やっぱりMMAにおけるサブミッション(寝技)って、うつくしい




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『hello』
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする