Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

NIGHTCRAWLER

2015-08-24 07:45:03 | コラム
リスクを取れ!

リスクを取れ!!

リスクを取れ!!!

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夏の映画は騒がしくてもおおいに結構だが、秋の映画はじっくり観ることの出来る、大人の鑑賞に堪え得るものを期待したい。

夜や早朝は涼しいし、きのうはスズムシの鳴き声まで聞こえた。
というわけで、初秋の映画をひとつ紹介したい。

ジェイク・ギレンホールのおぞましさに圧倒される『ナイトクローラー』は、特ダネのためであれば偽装も厭わぬパパラッチの姿を通し、メディア考察と現代批評を展開してのける快作・怪作である。



そう、ウチらはなにかあるとすぐにマス「ゴミ」だナンダカンダといってメディアを批判する傾向にあるけれども、
ネットを駆使すれば、たったひとりで「メディアとして」機能することも可能であって。

この映画は、我々も彼らと変わらない、映し鏡なんだよといってのける。
欲だけで生きるギレンホールの姿を見てゾッとしているのは、ひょっとすると己の闇の部分を透かされたから・・・なのかもしれない、なんて思ったりして。

観るのには「それなりの」覚悟が必要だが、少なくとも映画小僧と、SNSやブログでなにかを発信しているひとは観なくちゃいけない映画だと思う。




そこできょうは、広義の意味における「メディア関係者」が登場する映画の10傑を展開してみよう。


(1)『大統領の陰謀』(76)

ふたりの新聞記者が、ウォーターゲート事件の真相を突き止めるまで描いた傑作。

メディアを信じられなくなったら、とりあえずこれを観よう。

(2)『ゾディアック』(2006)

シリアルキラーに翻弄されていく、記者や刑事たち。

単なる偶然だが、この映画におけるジェイク・ギレンホールの演技もおぞましい。

おぞまし系の俳優?

(3)『ダイハード』(88)

主人公夫人にぶん殴られる、テレビリポーター。

(4)『天国と地獄』(63)

「しょうがねぇ、派手に叩くか!!」

犯人逮捕のため、被害者・権藤さんを救うため、嘘の情報を流す新聞記者たち。

胸が熱くなる。

(5)『市民ケーン』(41)

富豪の死の謎を追う、ひとりの新聞記者。

しかし記者本人は、ほぼ登場せず。
この描きかたが、憎いほど巧い。

(6)『スパイダーマン』(2002)

スーパーヒーローでないときは、冴えないカメラマンとして暮らしている。

この設定は、クラーク・ケントと似ているね。

(7)『ローマの休日』(53)

王女と記者の、ほんのり艶っぽい物語。

投票をすれば、これが1位になるのではないか。

(8)『地雷を踏んだらサヨウナラ』(99)

戦場カメラマン・一ノ瀬泰造を浅野忠信が好演、そこはかとないユーモアが漂い、ひじょうに味わい深い。

(9)『カプリコン1』(77)

NASAと国家の「でっちあげ」を見抜いたのは、パッとしない科学者と新聞記者だった。

バツグンに面白い物語なのに、若い映画ファンには観られていない。

(10)『海外特派員』(40)

ヒッチコック得意の「巻き込まれ」型サスペンスの傑作。

カメラの使いかたも巧妙で、とくにこのシーンが有名。



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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(140)』

コメント (1)
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