Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

(ときとして)ことばは、要らんのだ

2014-06-26 00:30:00 | コラム
最近、水~木曜が異様に忙しいのでコラムの文字数も少なめ、動画や写真で逃げまくっている―という、他者にとってはどうでもいい事情を冒頭で晒し、ここからは「ナニゴトモナカッタヨウニ」コラムを展開していこうか。


基本、ことば/文字を信じている男である。

三流とはいえモノを書いて喰っている人間だもの、そりゃ当たり前のことで、ゆえに台詞にこだわった映画への肩入れは「そーとーなもの」だ。
だからといって、台詞が極端に少ない映画を嫌っているわけじゃない。
場を白けさせる説明的な台詞が入るくらいなら無言のほうがいい。

そうなんだ、「ときとして」ことばは要らん。

今宵は、そんな「ことばに頼らない」映像表現を目指した、野心的な映画の10傑を選んでみた。


(1)『クンドゥン』(97)

ダライ・ラマ14世の半生を描いた、わが神スコセッシの佳作。

クライマックスの亡命シーンは、ほぼ台詞なし。

(2)『砂の器』(74…トップ画像)

ハンセン氏病を患う、父と息子の遍路。

『クンドゥン』もそうだが、つまり、過酷な移動にことばは要らない、、、ということなのか。

(3)『2001年宇宙の旅』(68)

これこそ説明も要らない。

あぁこの、心地良い時間がいつまでも続けばな・・・そんな風に思う。




(4)『アミスタッド』(97)

拉致された男たちが船内で受ける不条理を、ほぼ台詞なしで描く。

スピルバーグは、相変わらずサディストだ。

(5)『旅芸人の記録』(75)

苦難に満ちたギリシャの歴史を、旅芸人の視点で映し出す。

ことばの少ない彼ら彼女らの、瞳の奥に宿る哀しみ!! は、ゾッとするほど深い。

(6)『キャリー』(76)

プロムナイトの惨劇さえ撮ることが出来れば、それでいい―デ・パルマの野心は、完璧な形で果たされている。

うん、すごいことだと思う。




(7)『裸の島』(60)

ことばが少ないからこそ、乙羽信子の号泣は胸に迫る。

(8)『HANA-BI』(98)

ラストシーンもいいが、たけしが中古車をパトカーに改造するところ。

久石譲のテーマ曲がぴたりと合い、なんかちょっと楽しい。

(9)『スパルタンX』(84)

これは特殊なケース。

成龍とプロのキックボクサー、ベニー・ ユキーデとの対決。

アクション映画の格闘としては「だいぶ」長いが、ふたりの対決にはことばなんか要らない。

(10)『ピアノ・レッスン』(93)

エイダの「内の声」としてモノローグは入るものの、彼女の心理状態はピアノの旋律が代弁してくれているのだ。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(80)』

コメント (1)
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