「見つからなかったら、まだやってたと思う?」
「やってたと思う…。まず環境を変えないと止めるのは無理ですね。1ヵ月半しか抜かずに、大した反省もする時間がなく、留置所なんて厳しくないからフワッと過ごすものだし」
「クスリが抜けるまで辛くなかった?」
「1日寝てたので、なんとか。でも取り調べのときがいちばん眠くて。世に出回ったあの写真は、眠かったときのなんです」
※AV女優・倖田梨紗(トップ画像)、覚醒剤不法所持による逮捕・収監の経験を雑誌取材で語る
…………………………………………
ほんとうは自分が取材したかったのだけれども、
こういう大物? へのコンタクトは、「要領よく生きている」先輩に取れらちまうことが多く。
ガッデム!!
・・・ということを呑み会の席で友人に「軽いジョークを交えて」話すと、
オメーはそういうことでさえ、楽しめるの?
という、かなり核心を突いた問いを投げかけられた。
「確かに、楽しんでいるところはあると思うよ。“ダメ、ゼッタイ。”なんていう啓発は、厚労省の仕事でね。こっちは過ちを犯した人間の再起とか、そういう風にしか生きられなかった性を捉えるのが仕事。昔はジャンキーに嫌悪感みたいなのがあったけれど、いまは、そうでもない」
「そういう人生も、“あり”と?」
「いや容認はしないけれどさ、ひとって弱いものだと痛感する日々でね、ひとを騙したり傷つけたり殺したりするのではなく、自分を傷つけるものに対し、強い嫌悪を抱くのは無理だなぁって」
甘いっちゃあ、甘いのだろうが、これが本音。
カート・コバーンやリヴァー・フェニックスの無残な死―という現実を前にして思うのは、
彼らを蝕むクスリより、クスリに蝕まれた彼らの弱さこそ問題で、しかし、ひとってそういうものかもしれないなぁ・・・なんて。
まぁ楽しんでいる時点で「間違ってる!」とか叱られそうだが、
そんな自分が選出する「映画のなかのジャンキー、その凄まじい俳優の演技10傑」は、以下のようになる。
先日の「映画と箱」「映画と袋」が、ちょっと気の抜けたような「やっつけコラムなんじゃないか」と、常連読者さんから指摘を受けたため、こころを入れ替え? 真剣に選出してみたさ。
※敢えて90年代以降の作品に限定してみた。ドラッグ吸引や幻覚の描写レベルが、格段にアップした時代だからである。
(1)出演者全員、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)
アロノフスキー監督は、元ジャンキーなのではないか。
そのくらい、幻覚描写に迫力があった。
(2)役所広司、『シャブ極道』(96)
描写の激しさとストレートなタイトルにより、映倫・ビデ倫と揉めに揉めた問題作。
いまより「ちょっとだけ」シャープな役所さんが、シャブを取り入れる度にイキイキとしてくる超絶演技を披露。
(3)ショーン・ペン、『カリートの道』(93)
どーしょもないジャンキーを演じさせたら、ペンは世界一。
(4)ユエン・ブレムナー、『トレインスポッティング』(96)
ジャンキーになっても、彼はいいヤツ。
だから主人公は、彼にだけ金を残した。
(5)ジョン・トラボルタ、『パルプ・フィクション』(94)
QT自らが「よく撮れた」と自画自賛する、ドラッグ注入シーン。
(6)ゲイリー・オールドマン、『レオン』(94)
ジャンキーな悪徳刑事。
これを楽しげに演じていたオールドマン、家庭を持って子どもが出来ると「サイテーなキャラクターだ。出なければよかった」と告白。
気持ちは分かるけれど、あなたの演技、最高だったよ。
(7)ニコラス・ケイジ、『リービング・ラスベガス』(95)
アル中レベルがMAXにまで到達しているので、ジャンキーに認定。
水のように酒を呑む演技が素晴らしい。
(8)ジョニー・デップ、『ラスベガスをやっつけろ』(98)
酩酊や幻覚を、映画そのもので表現しようとした怪作。
ジョニー・デップのファンでも、これを素直に好きだというひとは少ない。
(9)ハーベイ・カイテル、『バッド・ルーテナント』(92)
おそらくカイテルのキャリアで最高の演技であり、
路上で自慰を繰り広げる史上最悪の刑事を、じつに楽しげに悩ましく演じている。
(10)エリカ・クリステンセン、『トラフィック』(2000)
映画史を眺めながら、女子のジャンキーが少ないなぁ・・・と不満だったのだが、あぁ、ひとり居た! と。
少し呆けた顔で、涙を流す―ただそれだけの演技なのだけれど、とってもリアルだったのだ。
※テーマがテーマなので、美しい音楽で気分転換しよう。
『カリート』より、ジョー・コッカーの名曲を。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『切ないハダカ』
「やってたと思う…。まず環境を変えないと止めるのは無理ですね。1ヵ月半しか抜かずに、大した反省もする時間がなく、留置所なんて厳しくないからフワッと過ごすものだし」
「クスリが抜けるまで辛くなかった?」
「1日寝てたので、なんとか。でも取り調べのときがいちばん眠くて。世に出回ったあの写真は、眠かったときのなんです」
※AV女優・倖田梨紗(トップ画像)、覚醒剤不法所持による逮捕・収監の経験を雑誌取材で語る
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ほんとうは自分が取材したかったのだけれども、
こういう大物? へのコンタクトは、「要領よく生きている」先輩に取れらちまうことが多く。
ガッデム!!
・・・ということを呑み会の席で友人に「軽いジョークを交えて」話すと、
オメーはそういうことでさえ、楽しめるの?
という、かなり核心を突いた問いを投げかけられた。
「確かに、楽しんでいるところはあると思うよ。“ダメ、ゼッタイ。”なんていう啓発は、厚労省の仕事でね。こっちは過ちを犯した人間の再起とか、そういう風にしか生きられなかった性を捉えるのが仕事。昔はジャンキーに嫌悪感みたいなのがあったけれど、いまは、そうでもない」
「そういう人生も、“あり”と?」
「いや容認はしないけれどさ、ひとって弱いものだと痛感する日々でね、ひとを騙したり傷つけたり殺したりするのではなく、自分を傷つけるものに対し、強い嫌悪を抱くのは無理だなぁって」
甘いっちゃあ、甘いのだろうが、これが本音。
カート・コバーンやリヴァー・フェニックスの無残な死―という現実を前にして思うのは、
彼らを蝕むクスリより、クスリに蝕まれた彼らの弱さこそ問題で、しかし、ひとってそういうものかもしれないなぁ・・・なんて。
まぁ楽しんでいる時点で「間違ってる!」とか叱られそうだが、
そんな自分が選出する「映画のなかのジャンキー、その凄まじい俳優の演技10傑」は、以下のようになる。
先日の「映画と箱」「映画と袋」が、ちょっと気の抜けたような「やっつけコラムなんじゃないか」と、常連読者さんから指摘を受けたため、こころを入れ替え? 真剣に選出してみたさ。
※敢えて90年代以降の作品に限定してみた。ドラッグ吸引や幻覚の描写レベルが、格段にアップした時代だからである。
(1)出演者全員、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)
アロノフスキー監督は、元ジャンキーなのではないか。
そのくらい、幻覚描写に迫力があった。
(2)役所広司、『シャブ極道』(96)
描写の激しさとストレートなタイトルにより、映倫・ビデ倫と揉めに揉めた問題作。
いまより「ちょっとだけ」シャープな役所さんが、シャブを取り入れる度にイキイキとしてくる超絶演技を披露。
(3)ショーン・ペン、『カリートの道』(93)
どーしょもないジャンキーを演じさせたら、ペンは世界一。
(4)ユエン・ブレムナー、『トレインスポッティング』(96)
ジャンキーになっても、彼はいいヤツ。
だから主人公は、彼にだけ金を残した。
(5)ジョン・トラボルタ、『パルプ・フィクション』(94)
QT自らが「よく撮れた」と自画自賛する、ドラッグ注入シーン。
(6)ゲイリー・オールドマン、『レオン』(94)
ジャンキーな悪徳刑事。
これを楽しげに演じていたオールドマン、家庭を持って子どもが出来ると「サイテーなキャラクターだ。出なければよかった」と告白。
気持ちは分かるけれど、あなたの演技、最高だったよ。
(7)ニコラス・ケイジ、『リービング・ラスベガス』(95)
アル中レベルがMAXにまで到達しているので、ジャンキーに認定。
水のように酒を呑む演技が素晴らしい。
(8)ジョニー・デップ、『ラスベガスをやっつけろ』(98)
酩酊や幻覚を、映画そのもので表現しようとした怪作。
ジョニー・デップのファンでも、これを素直に好きだというひとは少ない。
(9)ハーベイ・カイテル、『バッド・ルーテナント』(92)
おそらくカイテルのキャリアで最高の演技であり、
路上で自慰を繰り広げる史上最悪の刑事を、じつに楽しげに悩ましく演じている。
(10)エリカ・クリステンセン、『トラフィック』(2000)
映画史を眺めながら、女子のジャンキーが少ないなぁ・・・と不満だったのだが、あぁ、ひとり居た! と。
少し呆けた顔で、涙を流す―ただそれだけの演技なのだけれど、とってもリアルだったのだ。
※テーマがテーマなので、美しい音楽で気分転換しよう。
『カリート』より、ジョー・コッカーの名曲を。
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明日のコラムは・・・
『切ないハダカ』