Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(21)

2012-10-18 00:15:00 | コラム
体重が100kgを超すガキに、服を選ぶ資格なんてない。

米国ならともかく、
そうでなかったとしても現代の都会ならともかく、約20年前の群馬の片田舎であるし。
というわけで、肥満児だった自分はひたすら、いまでいうスウェット「みたいなもの」を着ていた。

かーちゃんが買ってくれた上下揃いの。
ウエスト部分がゴムでビヨーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンと伸びるやつ。
洗濯する度に毛玉がいっぱいつくような。

これだ

それで文句はなかったし、お洒落をしようなどという発想も浮かばなかった。

そんなことよりも、ポテトチップスの在庫は切らしていないか、冷蔵庫にサイダーが入っているのか・・・のほうが、重要だったのだ。

減量を決意したのは、複数の理由が合わさった結果である。

(1)童貞を捨てたい

(2)順序が逆のような気もするが・・・女子にモテたい

(3)体型が理由(それだけが理由ではないが)で、いじめられていた

(4)自分のことを好きになりたかった

いまとなっては(4)の意識が最も強かったような気もするが、これらの理由から減量を決意した。
「お洒落がしたい」という理由は入らなかったし、痩せてそういう気持ちが芽生えるようになるとは思ってもみなかった。

そう、痩せた途端に、

「ジーンズ穿いてみたい!」
「ベルトしてみたい!」(ベルト要らず、、、だったのよ)
「タンクトップ着てみたい!」

と思ったのである。

それにしても「タンクトップ着てみたい!」には、我ながら笑える。
決してお洒落アイテムではないのに、肥満児に最も適さないものだから着てみたくなった、、、ということなのだろう。


さぁあとは、アルバイトで貯めた金を使ってお洒落アイテムを買うだけだ。
片田舎といっても、駅前まで行けば同世代のアンちゃんが好むアイテムくらいは売っている、、、しかし、そこで買うことはしたくなかった。

なぜ?

恥ずかしいのである、はじめての「おつかい」が。
クラスメイトに洒落気づいたところを、見られたくなかったのである。

そこで。
ある日曜日、自転車に乗り館林市を越え太田市に入る・・・も、まだまだペダルを漕ぎ続け、ほとんど伊勢崎市、、、というところまでやってきて、やっとのことでジーンズショップ? の前で自転車を止めた。

ヴィンテージのジーンズでもお探しですか? ってな距離である。

しかし入店するも、なにをどうすればいいのか分からない。
ただここはたぶん、一期一会の店。さすがにクラスメイトは居ないだろうし、恥ずかしい質問をしても店員と二度と顔を会わせることはない。

だから、

「イマドキの若いひとが穿くジーンズ、ほしいんですけど」

と聞いたのだった。

イマドキって、ねぇ。

けれども店員さんは嘲笑することもなく、懸命になって自分に似合うものを探してくれた。

そこで購入したのは、初ジーンズだというのにLeeのブラック、それからベルトと、27歳くらいまで愛用することになるトレーナー。

「この組み合わせ、かなりグッドです」という店員さんを信じての買い物だった。

ん?

そのとき、どんな格好で買い物に行ったのか・・・だって?
お洒落アイテムひとつもなかったんだろ・・・だって?

そのとおり。

やっぱりスウェットだったんだな。
リンク画像よりはマシだけれど、決して格好いいとはいえない感じの。

だから。

買ったものを試着室で着て、そのまま帰ってきたというわけ。毛玉のちょっとだけついたスウェットを、自転車のカゴに入れて。


店員さん、ありがとう。
あのころに比べれば、少しはお洒落になったんじゃないかな、自分。。。


※きょうのトップ画像は、映画史上で最もお洒落な学校制服のデザインだと思う『トレインスポッティング』(96)。
少しスカートが長過ぎる気もするけれど。

※※ジーンズつながりで、ジェニファー・ラブ・ヒューイットの格好いいCMを




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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』

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明日のコラムは・・・

『mismatch』

コメント (2)
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