山本一力による直木賞受賞作の人情劇。江戸深川を舞台にした豆腐職人の物語を内野聖陽と中谷美紀主演で綴る。
冒頭に子供が行方知れずになってしまう夫婦のエピソードが描かれるので、この子が長じて親と子がどういう形でめぐり会うか、が描かれるという期待が観客の頭の中には出来上がってしまう。
そこをどうはずしていくかが物語のテクニックで、その心地良い騙しが本作の核となる。内野聖陽の二役が効いており、そのうちの一人がもちろん主役なのだが、もう一方を主役に描いた作品ができるとユニークなサイドストーリーものになるだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます