SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「レッドクリフ」

2009年02月19日 | 映画(ラ行、ワ行)

 ジョン・ウー監督の新作。partⅡの公開を間近に控えている。

 ウー監督はハリウッド・アクション大作が続いたが久々の里帰り作品。歴史大作でドラマの中にアクションも生きている。人物像の造形、物語の叙情、活劇の迫力と緩急自在に物語が息づいている。

 最近はスピード感重視のためか、何がどうなっているのか、敵か見方かもわからないようなカットで見るほうも疲れきってしまう作品が多い。が、本作は登場人物のアクションが迫力ある映像の中でもしっかりとらえられており、豪快な英雄たちの活躍が存分に楽しめる。

 ただでさえ登場人物の多い「三国志」をトニー・レオン、金城武に中村獅童以外馴染みのない役者陣で見せられて、ついていけるだろうかという不安があって、公開後時間がたったが今日まで見なかったのだ。しかし、それは杞憂に終わった。これ誰だったかな?という場面では必ず画面に人名のキャプションが出てくる。冒頭の時代背景の解説と合わせて、観客にはとてもありがたい配慮である。

 数ヶ月、あるいは数年たって公開される続編が何の説明もなくいきなり続き部分から始まるような作品があることを思えば天と地だ。

 「三国志」の中でもハイライトに当たる「赤壁の戦い」を二部作で描いたものなのでこれが「三国志」のすべてではない。それでもこの面白さ、ジョン・ウーのライフワークとして全作映画化なんて無理だろうな。