自殺を決意した若い女性が再び人生を歩み始まるまでの癒し系作品。
睡眠薬をあれだけ大量に飲んで、丸一日半ぐっすり眠ることが出来ただけというある種特異な、というかラッキーな体質であったがゆえにそこからドラマがスタートする。
主演は加藤ローサと徳井義実。黙って画面に映っているだけで絵になる美しさだ。むしろ台詞をしゃべらない方が良いくらいだ。
日本三景の一つ天橋立の景観を初めて見ることが出来た。山里の素朴な暮らしも、すぐ隣には利便性に満たされた町の生活がある。
その自然に包まれた環境での中で徐々に心を癒されていくヒロインの物語だが、癒すものは癒される、という一方的でない相互の関係になっていることに気付かされる。
そうなるといいな、と観客が想像する安易なハッピーエンドは用意されない。映画は終わるが彼女の人生は再び時を刻み始めたわけで、まだここから先のストーリーがあるのだから。