町田イタリア歌劇団/町田オペラ小劇場オフィシャルブログ

町田を拠点にオペラ、ミュージカル公演をおこなっているグループです。

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ジャンニ・ポッジ

2012-12-17 23:40:31 | 日記
昔1950年代60年代に活躍したテノールにジャンニ・ポッジという人がいて、当時は評価は悪くはないが極めて秀逸というわけでもなかったようだ。
とてもすばらしいテノールだと思うけど、当時は周りに凄い人がたくさんいたからだと思う。
日本にも来ていて、レナータ・テバルディのトスカ役、ジャンジャコモ・グェルフィのスカルピア役でカヴァラドッシ役を歌っている映像をたまに聴くが、道具を何回も落としたり、棒立ちみたいな演技で芝居は駄目だけど、冒頭で歌われる有名な Recondita armoniaからリリックで若々しい美声がすばらしい。
雰囲気はテレビ司会者の草野仁さんが歌っているような親しみのある感じがまたいいが、やはり歌っている時の全体のフォームがしっかりしていて、今の流行りの言葉で言えばぶれていない。
下顎は柔らかいし、口の開け具合というか形が良いのか母音によって響きの色合いが変に変わることもないし、響きがなめらかによどみなく出てくる。
今の時代にイタリアでも日本でもこんな風に歌える人はそんなにいないと思うし、たらればの話はあまり意味は無いけど、ジャンニ・ポッジが今の時代に活躍していたら大スターじゃないかと思う。
いつの時代でもリリックテノールはなかなかいないと言われるが、ジャンニ・ポッジはまさにリリックテノールで、変に軽く高音を出すわけでもないし、パワーで押し出すような、バリトンのような声でもない。
軽やかにそして優雅に旋律を歌うこともできるが、一方で甘くも力強くも歌える声で、リリックテノール中のリリックテノールである。実際にいそうでいないタイプだ。
たまに、「○○なんてたいしたことない」みたいな話を聞くが、例えばジャンニ・ポッジなんてたいしたことないと言ったとして、その言った人がジャンニ・ポッジ以上の実力を認められているのならまだ良いが、そうではない人が言ったりするとドン引きするものだが、実際には実力のある人はそういうことは言わないものだ。
そう言う人は根拠の無い自信が旺盛な若いうちはあるかもしれないが(それはそれで大事ではあるが)、勉強や経験が足りないから言えてしまうし、発声にしろ声を勉強することの難しさを考えればジャンニ・ポッジのレベル<リリックテノールのトップレベル>に行くことの大変さは想像に難くない。
ジャンニ・ポッジの録音はあまり無いと思うが、そのテバルディとジャンジャコモ・グェルフィと共演している「トスカ」は聴いてみる価値はあるかと思う。
ジャンジャコモ・グェルフィの体重が重いのか椅子が脆かったのかは知らないが椅子がバキッと割れる場面もあってちょっとおもしろい。
【堀内士功】
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