日限山4丁目日記

横浜市港南区日限山4丁目は美しい町です。美しい庭・家は町を美しくし、人々を幸福にします。まちびと

狭小住宅は住みにくさゆえに結局捨てられる

2012年11月20日 | 日記
国土交通省は大地震が起こったとき大火災になって逃げ遅れが生じやすい危険な密集市街地を問題にしてます。
具体的には木造住宅が密集している町、行き止まりの道路が多い町を問題にしています。

このような危険な町は大阪、東京、横浜に多いそうです。
大阪などは人口が集中したところで危険な町が多いことは当然といえば当然ですが、問題は、放置すればそうなることを予測して大阪府、東京都、横浜市が町づくり条例を整備してきたかということだと思います。

私は横浜市民ですから横浜について言うならば、横浜の人口が爆発的に増え始めた1970頃は横浜市は都市計画を重視し、広範囲の市街化調整区域を設けるなど大胆な施策をとっていたと思います。
戸建住宅を建てようとすると、別に規制はないのに隣地との境界線から1.5m壁を離して建てよと行政指導があったりしました。

ところが今は都市計画の基本精神が失われ、市は安全な町をつくるための規制はできるだけ低く押さえ、欲深な土地所有者や不動産会社の言い分に耳を貸している状態と思います。
急斜面の上下のみならず、斜面まで住宅が建ち、しかも住宅はいわゆる狭小住宅という危険な町の増加が野放しになっています。
野放しにした方が不動産業が拡大し、税収が増えると市は期待しているかのようです。

1960年頃、経済成長の始まりを背景に日本では文化住宅という狭小住宅建設がブームになりました。
文化住宅とは名ばかりで密集した危険な狭小住宅の町が出現しました。

現代は経済衰退の始まりを背景にかつての文化住宅建設ブームの再来のような様相を呈しています。
欲深な土地所有者や不動産会社は、住環境が比較的いい既存の町についても、宅地を細分化し、狭小住宅を建設しようと貪欲になっています。
彼らには住環境保全とか、安全かつ美しい町づくりとかいう価値観はありません。
1円でも多く儲けたいという金銭欲だけです。
できた狭小住宅は住みやすいかどうかなど一顧だにしません。
市は赤字に負け、町づくりのロマンを失い、人々は収入の伸び悩みに負け、貪欲な土地所有者や不動産業者に操られています。

しかしかつて文化住宅が非文化住宅として捨てられたように現代ブームの狭小住宅もその住みにくさ、町の安全と美にとってマイナスゆえに捨てられます。

不動産は高い買い物です。
不動産を買う人は未来をよく考えて買う賢い消費者であるべきです。

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