prisoner's BLOG

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「ソーシャル・ネットワーク」

2011年03月27日 | 映画
出だしの二人の会話を一見けれん味なくアップのカットバックとフルショットの組み合わせで描いたオープニングから、まったくなじみのない出演者たちの演技と見えない演技にぴたりと焦点を合わせて、わずかにレガッタのシーンで川の両岸をぼかしてちょっとジオラマ風に見せる不思議な処理をしているくらいで、演出は一見するとほとんど画に興味をそらさない。
ネットの向こうの顔の見えない相手ではない、目の前にいる顔の見える相手との具体的なやりとりをもっぱら描いている。

ところがそのやりとりが、しばしば挿入される聴聞会のフラッシュ・フォワードに寸断され、その聴聞会でも弁護士が横槍をいれ、質問される方もまじめに答えず、で妙に噛み合わないまま勝手に事態が動いている、ビジネスの成功が個人的な美徳とはまるで関係ないというあたりが「今」の人間関係を描いた映画だなと思わせる。バーチャルリアリティがどうとか仮想と現実との違いがわからなくなっているとかいったズレた視点が入らないのがいい。
聴聞会が「真相」「正義」にたどり着くといったことがなく、というか初めからそんなことは想定しておらず、もっぱら両者が納得できる落としどころを探っているのが英米法的。

主人公マークのエゴイズムからハーバードの学長の「公正」さまで、色合いはそれぞれにせよ傲慢と無関心と慇懃無礼が全編を貫いているのが通り一遍でないエリートのいやらしさをよく出した。

それにしても、東大もそうだがなんでボートレースがエリートのスポーツということになるのだろう。忍耐力が試されるからだ、という説もあったけれど。

一夜漬けで現代美術の勉強をネットで済ませるシーンが初めの方にあるが、フェイスブックの登録者数が100万を超える時のオフィスがなんとも変てこな具合に現代美術を配している。
(☆☆☆★★)


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