prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「タイフーン TYPHOON」

2006年04月22日 | 映画
チャン・ドンゴンとイ・ジョンジェの二人の男の徹底した対決の迫力に圧倒される。それも敵ながらあっぱれというか、対立しなくてはいけないが互いに相手を認めているという関係で、記憶はあいまいだが、「この世の中は腐ってるな。お前と俺、二人言葉が通じるのに殺しあわねばならんとは」などなど決め台詞をがんがん出してくるのも近頃では嬉しくなる。
韓国くらい徹底して男くさい映画を作れる国も珍しい(そういうのはあまり日本ではウケないみたいだが)。

脱北者の亡命を認めるかどうかに始まって、東南アジアに出没する海賊とロシアの核廃棄物、アメリカ(と日本)の戦略などが無理なく絡み合うストーリー作りと、タイからロシアにまで至るロケーションのスケールが大きい。
脇役の男たちにも印象的な面構えのを揃えている。台風シーンなど、よく役者が溺れ死ななかったと思わせるくらい。人を刺した刃物がぼきっと折れる生々しさなど、ヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」以上。

銃の扱いとともに、兵士として死ぬ覚悟を完全に肯定的に描いているのはさすが徴兵制の国と思わせる。核廃棄物の扱いといい、日本であんな描き方をしたら、何と言われるかわからない。

ラスト、よく考えて見ると核廃棄物の処理があれでいいのかとか、回想シーンを改めて出してくるのはくどい感じもするのは、ちょっと残念。
(☆☆☆★★★)



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