オープニングで「ロッキー」や「レイジング・ブル」に着色などのデジタル処理を施して、主人公二人の若い頃の試合の映像に仕立てているが、その後はデジタル風味を排したあえて昔からのつながりを生かした作り。
舞台は「ロッキー」の舞台のフィラデルフィアと同じペンシルバニア州にあるピッツバーグ。場所柄か、ちょっと余裕ができるとどんどん自動車を替えるあたり、昔っぽいアメリカのカラーが出ている。
スタローンは造船所に勤めているという設定で、家にはパソコンや携帯はおろかテレビもない。ロッキーの第一作の頃よりあまり変わっていない、どころか遡った感じ。ブルーカラーの生活がそうなのだろうか。
デニーロの役名がビリー・「ザ・キッド」・マクドネンというあたり、ただのビリーに強引に「ザ・キッド」を結合させたみたい。孫に大人なのにキッドなんて言われるなんておかしいと言われるが、日本だとなおさらビリー・ザ・キッドなんていっても通じないのではないか。マクドネンという名前で、クローバーをあしらったグリーンのコスチュームからしてアイルランド系を強調した設定。ボクサーというと初めはまずアイリッシュがやるもので、それからイタリア系のロッキー・グラジアノ(「ロッキー」一作目でこの人の写真が部屋に貼られていた)などを経て、この映画ではプロモーターも含めてアフリカ系ばかり。
俳優の過去のキャリアをだぶらせた映画作りということ自体、辛うじて高倉健くらいを除いて日本ではほとんどなくなっているだろう。
さすがに30年前の遺恨試合というだけではドラマは持たないので、一人の女性(キム・ベイシンガー)をはさんだ三角関係と子供と孫を含めた家族ドラマに仕立てているのが厚みを出した。これにトレーナーのアラン・アーキンが擬似家族的に絡んで、しかも陽性のエロジジイぶりを見せて笑いをとる儲け役。
スタローンが鉄で作っているネズミみたいな犬の模型とか、交差点で横から出てきた車にぶつけられる事故とか、ディテールがなんでもないように出てきて後まできちんとつながっていく作法が好ましい。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
公式ホームページ
リベンジ・マッチ@ぴあ映画生活
映画『リベンジ・マッチ』 - シネマトゥデイ
舞台は「ロッキー」の舞台のフィラデルフィアと同じペンシルバニア州にあるピッツバーグ。場所柄か、ちょっと余裕ができるとどんどん自動車を替えるあたり、昔っぽいアメリカのカラーが出ている。
スタローンは造船所に勤めているという設定で、家にはパソコンや携帯はおろかテレビもない。ロッキーの第一作の頃よりあまり変わっていない、どころか遡った感じ。ブルーカラーの生活がそうなのだろうか。
デニーロの役名がビリー・「ザ・キッド」・マクドネンというあたり、ただのビリーに強引に「ザ・キッド」を結合させたみたい。孫に大人なのにキッドなんて言われるなんておかしいと言われるが、日本だとなおさらビリー・ザ・キッドなんていっても通じないのではないか。マクドネンという名前で、クローバーをあしらったグリーンのコスチュームからしてアイルランド系を強調した設定。ボクサーというと初めはまずアイリッシュがやるもので、それからイタリア系のロッキー・グラジアノ(「ロッキー」一作目でこの人の写真が部屋に貼られていた)などを経て、この映画ではプロモーターも含めてアフリカ系ばかり。
俳優の過去のキャリアをだぶらせた映画作りということ自体、辛うじて高倉健くらいを除いて日本ではほとんどなくなっているだろう。
さすがに30年前の遺恨試合というだけではドラマは持たないので、一人の女性(キム・ベイシンガー)をはさんだ三角関係と子供と孫を含めた家族ドラマに仕立てているのが厚みを出した。これにトレーナーのアラン・アーキンが擬似家族的に絡んで、しかも陽性のエロジジイぶりを見せて笑いをとる儲け役。
スタローンが鉄で作っているネズミみたいな犬の模型とか、交差点で横から出てきた車にぶつけられる事故とか、ディテールがなんでもないように出てきて後まできちんとつながっていく作法が好ましい。
(☆☆☆★★)
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リベンジ・マッチ@ぴあ映画生活
映画『リベンジ・マッチ』 - シネマトゥデイ