prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

巨匠たちの青の時代 スタンリー・キューブリック 俺の眼を見つけた!

2011年12月25日 | 映画
クリスティアーヌ夫人がインタビューを受けたキューブリックの自宅(外見、完全にビル)の本がぎっしり並んだ書斎がキューブリック作品でおなじみの赤一色なのが、あまりにそれらしい。

キューブリックの若い頃の顔は目がぎょろっとしているのは後年と同じで、いかにもきかん気が強そう。
カメラマンをしていた頃の写真は、報道写真という体裁をとっていても実際はやらせ、というあたり当時カメラマン一般でどの程度やらせが通用していたのかわからないが、リアルに見える作り物が好きというのは、いかにも映画監督向き。
恋人に贈る花束を持って満員の地下鉄に乗る青年、という組写真で、途中からネクタイが蝶ネクタイに変わるというのが可笑しい。

13歳の誕生日(1928年7月26日生まれだから1941年7月26日、真珠湾攻撃のすぐ前じゃないか)に医者だった父親にプレゼントしてもらったカメラがのちのキャリアにつながるわけだが、プロ用カメラをプレゼントしてもらったというのだから、裕福な家庭だったのがわかる。
1930~40年代当時は珍しかっただろう8ミリカメラによる妹と遊ぶ動画が見られる。そういえば、手塚治虫(同じ年の11月3日生まれ)の父親も8ミリで戦勝祝いの提灯行列を撮ろうとして失敗した、なんて書いていたな。

初期のドキュメンタリー作品「拳闘試合の日」が見られたのが収穫。「非情の罠」のボクシングシーンとアングルから照明からそっくり。というより、基本的なヴィジュアルの好みは後年までずっと変わらない。

「突撃」の塹壕内の長い移動ショットに使われた特製移動車が見られる。上から吊ったのかと思ったが、小さな車がついた移動車でした。

ステディーカムの発明者で「シャイニング」のステディーカム・オペレーターのギャレット・ブラウンが、実際に仕事するはるか前に「突撃」の移動ショットを見て興奮していたと語る。

映画以前の1949年、若き日のキューブリックが撮影したシカゴという街 52画像

チャンネル :BSプレミアム
放送日 :2011年12月21日(水)
放送時間 :午後10:00~午後11:00(60分)
ジャンル :ドキュメンタリー/教養>ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養>カルチャー・伝統文化
映画>その他

「2001年宇宙の旅」で知られる映画界の鬼才、スタンリー・キューブリック。人見知りの激しい少年が1台のカメラを手にし、“映像の魔術”を獲得した瞬間を見つめる。

巨匠たちの無名時代「青の時代」にスポットを当て、飛躍のドラマを描くシリーズ。今回は、「2001年宇宙の旅」などで知られる映画界の鬼才スタンリー・キューブリックを取り上げる。映像の魔術師の原点は、16歳のとき。街角で撮ったルーズベルト大統領の死を憂う男の写真にあった。人見知りの少年が世界と向き合い、己を表現する“武器”を手にした瞬間である。雌伏の時代に隠されたキューブリックの映像の秘密に迫る

【語り】礒野佑子

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