prisoner's BLOG

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「二宮金次郎」

2019年09月10日 | Weblog
二宮金次郎というと薪をしょって山道を歩きながら本を読んだとか、小学校に像があるとか、子供向け偉人伝の人だとかいうだけでなく何百もの農村の財政を立て直したという業績のあることは知っていたが、具体的にどんな風に立て直したのかはよく知らなかったのを教わる。
後でウィキペディアを見たら一応有名なエピソードは押さえてあるみたい。

金次郎が子供の時に夜に本を読んでいると油だってタダではないのだと叔父に怒られて、では自分で油を調達しますと菜種油用に植えた菜の畑を世話している(これも実伝)と、武士の身分をかさに着た豊田正作という子供が威張り散らしたいためだけに畑を踏みにじったのを金次郎が怒ってつかみかかり、それを根に持った豊田が後に成長して(成田浬が演じる)上役として赴任した時にねちねちと嫌がらせすることになる。

小作人も働き次第では本百姓になれるようにしてやる気を引き出す、ほっとかれている土地を開墾して作物を植えるといった金次郎の合理的な立て直し策を豊田はことごとくホゴにして、怠け者でただ豊田の手下になっただけの奴に補助金をばらまくというあたり、もろに現代日本の政策とだぶる。
結局、自分が損するのも意に介さないのも一緒。

そのあたり、金次郎が昔の修身の教科書に取り上げられた政治的文脈とはむしろ逆。

ドラマとするとこの理不尽をどう撃退をするか、豊田の鼻をあかすかに期待するわけだが、金次郎役の合田雅吏が水戸黄門で格さんをしていたわけでもあるまいが、榎木孝明の殿様があらかじめすべて承知していて豊田の讒言をあっさり却け、謹慎を申しつける。だったら最初からこんな奴をこんな役職につけるなよと思わないでもない。
その間金次郎は何をしていたかというと、成田山にこもって断食の行をしているのですね。行そのものは実際に金次郎がやったことらしいが、いささか肩透かしをくった。

もっとも豊田を仇役としてやっつけて終わりではなく、もっと大きな円に敵も包み込むという金次郎の思想の片鱗が語られるがいかんせん映像でそういう観念を説得的に描くのは難しく、抹香臭くてどうもピンとこない。

榎木孝明は特別出演だけでなく製作協力としてもクレジットされている。五十嵐匠監督の2010年作「半次郎」に企画・主演した縁もあるのか、この人が出演するので製作できたという面もあるのか。

撮影、照明、美術、衣装など、どの程度の予算なのか知らないがしっかりした仕事ぶり。
金次郎の家の板戸に太々とした文字が書かれているのが印象的。掛け軸を使わないのが質素な生活を印象づけ、文字の立派さが金次郎の教養を思わせる。

大手の有名企業が目立つ製作委員会方式と違うのか、失礼ながら知らない会社組織が名を連ねる。
クラウドファンディングも使われたとのこと。

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