prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「プライベート・ウォー」

2019年10月06日 | 映画
PCのctrl+alt+deleteを知らないなどヒロインが結構デジタル機器の操作が苦手なところをあちこちで描いている。
うがって見ると、ネット上を行き交う「情報」よりはあくまで発言できないでいる生の人間の顔と声を伝えることを重視している姿と思え、だからネットでリアルタイムで戦地の現況を伝えながら命を落とすというアイロニカルな構成をとっているようにも思える。

隻眼に眼帯という姿は海賊みたいで、同じロバート・リチャードソン撮影の「サルバドル」で描かれた実在のゴンゾ(ならずもの)ジャーナリスト、リチャード・ボイルみたいなキャラクターかと思ったら真逆。
あまりに悲惨な出来事を見聞きし自分も危険な目にあってきているので相当に精神的ダメージを負っているのは確かだが、そこで自閉的に戦争中毒的な酔いに向かうより現地の人たち=他者の声を聞き伝えることで結果的に精神的バランスをとっているようにも思える。

戦場シーンの人物にぴたっとついていくやたらスムースな前進移動撮影と音響効果は「フルメタル・ジャケット」を思わせる。






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