prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」

2008年02月01日 | 映画
スティーヴン・ソダーバーグ監督、ベニチオ・デル・トロ主演によるゲバラ伝が二部作として製作中だそうだが、ゲバラが今なお人気があるのは、若くして亡くなったのでイノセントなままでいられたからだろう。
虐げられた人々を助けたいというナイーヴな正義感にまっすぐつながっていく若さとイノセンスが良く出ている。
風景と音楽と南米の人々のローカルな魅力も大きい。

出会った人から直接影響を受ける外的な力学のドラマというより、もっぱら流れ去る風景の中に出会いを受け止めた側の内面の変化として一見淡々として、しかし再三現れる喘息の発作の扱いなどかなり計算しながら組み立てられている。

題名になっているモーターサイクルを捨てるプロセスが間接的に貧困層に仕返しされる格好になっているのが面白く、その後自分の足で険しい野山を踏破し船に乗り、それまで知識としてしか知らなかったハンセン病患者たちの村に入っていくにつれ、ゲバラ役のガエル・ガルシア・ベルナルが髭を生やして顔つきが変わっていくのが見もの。
(☆☆☆★★)




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