prisoner's BLOG

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「ロストクライム -閃光-」

2010年07月12日 | 映画
オープニングの夜のビル群をバックに炎をぐるぐる振り回しているホームレスの映像や、朝のブルーに染まった橋の上の遠近感を生かした構図での殺しなど、リアルなのと同時に一種の幻想感を持った映像は、「女囚 701号 さそり」の伊藤俊也監督らしい。
あと、本当に警察が嫌いなのだなというのも、三十年以上経っているけれども変わっていない。

三億円事件が簡単に解決しそうで迷宮入りし、なぜか途中から単独犯説に急激にシフトしていった事情というのは原作の大胆な推論だが、フィクションにしても説得力あり。
60年代の警察の左翼に対する敵意と組織防衛の本能が、それ自体芝居として直接描かれるわけではないが、というより間接的に描かれているからなおさら強く印象づけられる。

三億円事件が「きれいな犯罪」などと妙に持ち上げられているのに抗して、その影でいかに傷ついた人間がいるかを描いているあたりに力が入っている。そう、きれいな犯罪などあるわけがない。

クライマックスの組み立てはかなり変というか強引。夜の橋の上に警察が威圧的にずらっと並んでいるのを高層ビル街をバックにした画は力があるが、それだけにここで終わった方が良かった。あとのシーンは蛇足。

五人の男女が40年以上の時を隔てた若い時の姿と今の姿と両方描かれるのだが、誰が誰にあたるのかよくわからない。「コールド・ケース」だと同じ場所で同じアングルで若いのと年食っているのとをカットバックするなどして懇切丁寧に描くのだが。

セックス描写や立ち回りになると、突然センスが40年前のになる。
(☆☆☆)


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