prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ダークナイト ライジング」

2012年08月24日 | 映画
どうしても前作のジョーカーのキャラクター造形と比べてしまう分、敵役が弱くは感じます。ジョーカーは「仲間」「手下」に対しても気を許さない、つきつめていけば仲間などいないのに対すると、ベインは手下は忠誠心の塊だし出自も明らかになるしで、社会や人びとが依って経つ倫理や価値観そのものを否定はしても単純な報復にとどまっていて、それらを揺るがし無化するわけではない。
肉体的な強靭さはともかく、存在としての怖さは薄れました。

「革命」を起こして権力を握った側がたちまち腐敗して内部で粛清が始まるという例を歴史上いやというほど挙げられるから、旧権力側を粛清する段階で終わるのはまだ浅い。
ゴッサム・シティとはいってもロケ地は証券取引所といい橋を落とせば孤立する島という設定といい、もろにニューヨーク。ピッツバーグでもロケしているそうですが。

前二作の悪役がブルース・ウェインに与えた影響というのは言及されません。特にジョーカーはあえて無視したような印象もある。

核兵器の扱いが「24」的なお手軽さが伴うのは、アメリカ製の限界ですかね。爆発さえやりすごせばいいと思っているみたいで、あとの汚染に考えが及んでいない。
それから、放射能よけに鉛で覆われた空間に爆破起動用の電波が届くものかどうか。

マシュー・モディーン(「フルメタル・ジャケット」「バーディ」)や、トム・コンティ(「戦場のメリークリスマス」のミスター・ローレンス)が脇で出ているのにちょっとびっくり。

人を殺す表現に微妙にセーブがかかっている気がします。アメリカでの初日の乱射事件は関係ないはずだが。

三時間近い長尺でほとんど飽きることがない展開と画面の肉の厚さのは大したもの。
(☆☆☆★★)

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監督 クリストファー・ノーラン
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