prisoner's BLOG

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「アイリッシュマン」

2019年11月19日 | 映画
Netfrix製作でネット配信前に限定劇場公開されたのに行ってきました。シネリーブル池袋で一週間限定公開。

もう少し余裕をもって上映できないものかと思うが、3時間半というスコセッシ作品でも最長で、劇場としてみると最大でも一日二回しか回らないのだから敬遠されたのもわからないではない。

「ROMA」もだけれど、画と音のクオリティーでは劇場向けではあるけれど、家庭用再生装置も最近ではずいぶん向上していて、実際「ROMA」をホームシアターで相対した時、特に音が耳元で聞こえるような近しさは劇場とは別の美質を持っていた。
なかなかどちらが良いか、内容にふさわしいといえるかは一概には言えないが、ともかく劇場で見られる時に見ておくことにした。

アル・パチーノ扮するジミー・ホッファはこれまで仮名にしてシルベスター・スタローン主演、ノーマン・ジュイソン監督の「F・I・S・T」、ジャック・ニコルソン主演、ダニー・デヴィート監督助演の「ホッファ」といった映画に取り上げられていたが、それらではマフィアとのいざこざで消された(文字通り完全に姿を消して死体も出ていない)という解釈だったが、今回はかなり違う。

ホッファのとんでもないワガママ、押しとアクの強さをパチーノがまた脂っこく演じ、それに辟易しながら離れられない部下フランク(デニーロ)との関係は、スコセッシ初期の「ミーン・ストリート」から連綿と続いている。

スコセッシとすると得意の激しい移動撮影やめぐるましい編集といった技は前作「沈黙 SILENCE」に続いて抑えぎみで、一体どの時点の姿が俳優たちの今の姿に一番近いのかわからない物理的なメイクアップとデジタルメイクの併用を駆使して、しかし全体としては老いた目から若い時を振り返る格好になっていて、暴力描写も簡潔になっている。全体にずいぶん淡白になった印象は否めない。

時制の交錯ぶりと全体としての老いからの回顧的な肌触りは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」風でもあり(そういえばこれのトリート・ウィリアムスもホッファをモデルにしていた)、長い時間にわたる人物の変化を描き出すのはデニーロの十八番ともいえる。

実際、「1900年」から「ワンス…」「告白」など何度も老け役をやっていてその度に老け方が違うので、本当に老けたらどういう風になるのだうと思っていたのだが、現在75歳になってもよくわからない。

ホッファを描くと、敵であるロバート・ケネディ司法長官とその兄JFK、献金していたその政敵ニクソンといった60年代アメリカの現代史を裏から描くことにもなる。
ホッファがしきりとイタリア系を侮辱する発言を繰り返すので何系なのかと思ったらドイツ系らしい。

デニーロの娘役が誰かと思ったらアンナ・パキン。「Xメン」を飛び越えていきなり「ピアノ・レッスン」の幼い顔と結びついてしまう。徹底的に父親の稼業を嫌うという逆に珍しい役どころ。

80年代のシーンに出てくるテレビはSONY製。そういえばこの時代は日本製家電が世界を席巻していたのだったな。



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