prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「善き人」

2012年01月21日 | 映画
ヴィゴ・モーテンセンが前半はインテリらしく縁なしメガネと柔らかい素材のジャケット姿なのが、後半ガタイの良さや硬質な風貌がやたらナチスの制服姿に似合うのが目立つようになり、外形的な役割に実質が引きずられる感じが画になっている。

ユダヤ人の友人との会話で、ユダヤ人だがユダヤ教からカトリックに改宗したマーラーについて語られる。主人公はしばしば幻聴を聞くのだが、そのマーラーの交響曲第一番の第三楽章が軽めにアレンジされて流れているのがすでに幻聴ではない、というあたりで悪夢が現実になったのを端的に表わした。

友人でなければユダヤ人を助けないのか、とも思うが、現実問題として抽象的な「ユダヤ人」ではなく直接の知り合いの方が心配になるのはむしろ当然ではある。

毎度のことなのだが、英語ではナチス政権下のドイツの感じが出ません。あと、あまり製作費かかっていないのではないか、調度品などやっと画面を埋めるだけ集めたみたい。ちょっとカメラがふれたら見切れそう。
(☆☆☆★)

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