prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マリリン・モンロー  瞳の中の秘密」

2013年10月27日 | 映画
モンローのノートの手書きの文字をバックに、著名な俳優たちをモンローをはじめとする実在の人物に見立てて朗読を聞かせていく場面に、記録映像のフッテージなどをはさんでいく構成。
本格的に役作りをして演じているわけではないので俳優たちそのものが強く出て、特に女優たちはかつてモンローが味わった辛酸も身に覚えがあるのではないかと思わせる。
アフリカ系のヴィオラ・デイビスまで参加しているのに女性監督リズ・バルガスの意図を感じる。

マリリンの字がきれいでスペルミスなども見当たらない。記されたことばも率直で経験と実感と知性の裏打ちが感じられ、学歴コンプレックスがあった分、勉強家だったというのもうなずける。
人には見せなかったが詩をノートに書きとめており、残されている写真にもホイットマンの「草の葉」を読んでいるのが写っている。

二番目の夫であるアーサー・ミラーを筆頭に概して男たちのセコさに厳しい目が向けられている。一流といわれる男たちのはずだが、女に対する無神経と横暴ではあまり変わりない。
頭の弱いブロンドのセクシー女というイメージがいかに押し付けられたものだったかわかる。

自分でプロダクションを立ち上げていたというが、バート・ランカスターとカーク・ダグラスがスター・プロを作って成功した時期(ヘクト=ランカスター・プロ設立が1958年)からそれほど離れていない。

モンロー・ウォークが上から吊るされたように歩くイメージから自分で考えたという(  The Thinking Body という本を愛読していたらしい 今では古典だが、日本では未訳)のに、頭のてっぺんから吊るされているようにイメージして歩くというのが気功の一種にあったことを思い出した

リー・ストラスバーグ役をスティーブン・ラングがやっているのがもっともらしい。映画「アバター」のマッチョな大佐役などでは見られない、うるさそうなインテリくささが出てくるのがおもしろい。

モンローのギャラがエリザベス・テイラーの十分の一程度だったというのに驚く。子役出身でハリウッド生え抜きのテイラーとは扱いが違ったということだろうか。

しばしば映画の黄金時代などと呼ばれたりするモンローやヘプバーンが活躍した時代が、ハリウッドが凋落していく時代だったのもわかる。

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