冒頭、ポランスキーが生涯功労賞を授与される映画祭出席のため訪れたスイスで逮捕されてしまう、というのが出だし。
そこから50年来の友人のプロデューサー、アンドリュー・ブラウンズバーグがポランスキーの生い立ちを聞いていくのを軸にした構成になっている。
生まれは1932年のパリなのが間もなくポーランドに戻ったのがずいぶん後になってみると不運だったと思える。
ナチスによって母親が連行され収容所で殺されたという体験に始まり、シャロン・テートとの結婚とチャールズ・マンソン・ファミリーによる惨殺、未成年者との性行(法定強姦)による逮捕・投獄、エマニュエル・セニエとの57歳での結婚と実子誕生、と女性との関わりが自然と目に入ってくる。
連行された時、母親は妊娠中で、殺された時のテートもやはり妊娠中だったという暗合ぶり。
「ローズマリーの赤ちゃん」を撮るのは自然が芸術を模倣したようだと思わせる。