prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「BRAVE HEARTS 海猿」

2012年08月27日 | 映画
救命士に必要なのは冷静な判断力と熱いハートの両方で、どちらが大事というものではないだろう。一人で両方を兼ねるのは難しくてもチームとしてはどちらも必要なはずで、この対立するはずのないものを伊原剛史の先輩と伊藤英明の対立として設定させたからおかしなことになった。

たとえば伊原剛史の先輩に家族が事故を起こした飛行機に乗っていたとしてそれでも冷静な判断ができるか、伊藤英明が撤退しないと救命士の仲間が死ぬと判断しないといけない立場に追い込まれたらどうなるか、といった普段言っていることと逆の行為をしないといけない場合などいくらでもありうるではないか。

いくら頑張っても救助できない、どころか救命士の方まで命を落としてしまう場合はいくらもあるわけで、現に最初の方にそういう描写がある。それでも考えを練り直さないでただ踏ん張るだけ頑張るだけというのでは、ほとんど特攻精神だ。

キャラクターが最初と最期でまるで動いていない、というのでは見た目のスケールや派手さに対してドラマとしてのダイナニズムに著しく欠ける。怖いもので、大がかりな仕掛けにはだんだんマヒしてくる。ハリウッド映画が陥った罠です。

多くの民間の船を含めてわっと救助に集まってくる、多くの人命を助けるためにもっと大勢が力を合わせる画は壮大で胸が熱くなるけれど、こう何本も続いてまるで救命士としてのキャラクターの成長がないというのもどうか。
加藤あいがブチコワシ的な出方をしないのはいい。
出来は二作目、三作目より上に思えるが、本数を重ねた分、満足度は下がる。

仲里依紗がなんで結婚したがらないか、という謎解き(というのか)もなんか拍子が抜ける。初めから理由を明かしておいてそれを克服する形にするのがフツウだろう。
(☆☆☆)

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