prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マッドゴッド」

2023年01月25日 | 映画
美術出身の人が監督をやるとナラティブなストーリー展開より映画全体がひとつの絵になるような作りに接近するのかな、と思った。
ひとつひとつのカットが絵画的というより、映画の全体像としてひと固まりの印象としてごろっと投げ出される、というか。

技術的にはストップモーション・アニメーションに限ったわけではなく実写やCGも併用しているが、ここまで手がかかっていると、手をかけること自体が作者のフェティシズムというか快感になっているのではないかと思える。
キャラクター、あるいは映像世界全体が自発的に動いていると共に半ば動かされている、すべてを創造していると共に創造されたものが勝手に生きている
ような奇妙に混淆した感覚は、見ている方にとっても何か癖になる。