prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブラック·アダム」

2022年12月21日 | 映画
スーパーヒーローはみんな強いに決まっているが、特にムチャクチャに強くてそれが破壊的な方向に向かい、かといって悪役というわけではない、という位置づけ。

通常兵器としては最強の装備で固めている部隊をいともあっさり全滅させてしまう前半の名刺代わりの大暴れが一番痛快。
とある物質に触れると力が吸い取られて出せなくなるという設定は当然「スーパーマン」で、裏スーパーマンといった趣あり。

タイトルになっているブラック・アダムという名前にしてもずっと別の仮の名前で呼ばれ続けてラストでクレジット一枚に登場するだけ、つまりブラック・アダムというキャラクターの誕生譚でもある。

白人ヒーローがあまり出てこない。元007のピアース・ブロスナンくらいか。その退場のさせ方といい、どう(表面的にでも)多様化させるか腐心している感じ。PC的にというか、世界を相手にしている商売なのだから自ずとそうなるのだろう。

ユニバースものもこう多くなってくると、細かく他の作品とのキャラクターのつながりがわかったようでわからなくなってくる。
話がとぶが、バルザックの人間喜劇ものというのは同じキャラクターが別の小説に時には主役時には脇役になり、歳や立場も変わって再登場するという形式なわけだが、結果それに近くなっている。というか、お話をつづけていく都合に従って編み出された技法ということになるかもしれない。違うのは作るのも描かれるのもチームというところ。