prisoner's BLOG

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「残された者 北の極地」

2019年11月13日 | 映画
原題はArctic(北極の,北極地方の,極寒の,厳寒の)。そのまんまの内容で、撮影はアイスランドで行われた。

全編、マッツ・ミケルセンのひとり芝居。
エンドタイトルに出るキャストは三人だけ、ひとりは出てきたらすでに死んでいるヘリコプターパイロット、もうひとりは生き残っている役名「若い女性」でほとんど瀕死の状態でセリフらしいセリフもない。
というか、ミケルセンにも言葉をやりとりできる相手はいないのだからセリフらしいセリフはない。
ほとんどサイレント映画的といっていいくらい徹底して画と音だけで雪原でのサバイバルを描ききる。
この画と音、それからミケルセンの寒さの中でほとんどドキュメントと化した演技が見もの。

ミケルセン演じる雪原に不時着した飛行機の乗員がその場にとどまり救助を待っていたのを、同じように遭難した生き残りの女性を助けるため雪原を女性を乗せた橇で踏破しようとする。

その前に立ちふさがる数々の障害をひとつひとつあるいは克服しあるいは迂回して越えていく、その丹念で克明な描写の中で、百円ライターで火を起こし加熱した食べ物、たとえばカップ麺ひとつを口にするたび、雪原を一足進むたびにに命を実感させていく。

よく見るとメリハリをつけるのに細かい演出をこらしているのだが、全編見も知らぬ女性を乗せた橇を引いて単調な雪原を一歩一歩進んでいく姿に他の人間がいて初めて生き抜く力を得るのではないかというシンプルなテーマをそのまま画にしている。

監督のジョー・ペナはブラジルのサンパウロ生まれ、YouTuber出身で長編劇映画はこれが初めて、大ロケーションといい地味といえば地味な素材と技法といい、製作陣の大胆さに舌を巻く。



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11月12日のつぶやき

2019年11月13日 | Weblog
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