prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「温泉みみず芸者」

2014年08月06日 | 映画
先日読んだ鈴木則文監督の著書「東映ゲリラ戦記」と併せると色々と興味深い。

当時の東映ではタイトルが先に決められて後から内容を考えるというのはむしろ常態だったようだが、確かにまあタイトルのインパクトは相当なもの。「たこつぼ芸者」「かずのこ芸者」という案もあったらしいが、全然関係ない「みみず芸者」というのがやはり強い。今では使えないのではないか。

予告編に「衝撃のポルノ女優 池玲子」なんて出るが、「戦記」によると、ポルノという言葉をおおっぴらに宣伝文句として使ったのは、これが最初だという。それを日活がロマンポルノで大々的に広めて定着することになる。
実は出演当時16歳だったというから、今だったらもろに児童福祉法違反だろう。いろいろとアバウトな時代です。

たこつぼ漁の開祖である多胡家の母娘芸者三人(母が 娘が池玲子と杉本美樹)がやたらと名器の持ち主で、男が腹上死するところで救急車が走ったかと思うと、もうお経の音がずり上がって聞こえる快テンポな演出が笑わせる。

あれこれあった後、名和宏をトップとする性豪三人組が母娘三人と勝負することになるわけだけど、何をもって勝ち負けを決めるのですかね。考えてみるとよくわからない。先にイッた方が負けらしいのだが、それだったら負けるが勝ちではないか。

エクスタシーに達してくるのを波が打つ様子で表現して、さらにはタコがたくさん現れて絡み付いてくるあたりは、「北斎漫画」のさきがけといった感じ。