prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」

2014年07月03日 | 映画
「鳥」と「マーニー」製作中のヒッチコックとティッピ・ヘドレンの裏話をドラマ化したテレビ用映画。

原作がヒッチコックの暗部を暴いた著作「ヒッチコック―映画と生涯」などで有名なドナルド・スポトーのSpellbound by Beauty: Alfred Hitchcock and His Leading Ladiesだから、ヒッチコックが大監督としての権力にものを言わせて新人女優にあからさまに性的な執着と支配欲を見せるというかなり不愉快な内容。

ここでのヒッチコックは完全に変質者として描かれていて、まあエピソード自体は本当のことらしいが、一方で映画監督として天才であることはすっぽ抜けてしまっている。
アンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレン主演の映画「ヒッチコック」では映画人としては先輩である夫人のアルマとの葛藤が中心になっていたが、ここでの夫人もなんだか夫の変質的な趣味に手を貸しているようで魅力的な人物とは言いがたい描き方。

ヘドレンの幼い娘がメラニーと呼ばれている(偶然だが、「鳥」の役名もメラニー・ダニエルズ)。やはり女優になったメラニー・グリフィスのことですね。
娘の回想によると、母親のところにヒッチコックから贈り物が来て、何かと思ったらミニチュアの棺桶に母親の人形が入っていたもので「なんて人だろう」と思ったという。ドラマでもそれを匂わす場面はあるが、贈り物の内容については触れず。

「鳥」で実際の鳥にえんえんと襲わせ続けたというエピソードも再現されている。

ヒッチコック役はトビー・ジョーンズ。アンソニー・ホプキンス同様外観が似ているとはいえないのを肥満体の特殊メイクとそっくりの発声で役作りをしている。パブリックなヒッチコックのイメージをなぞっているわけで、そうするとヒッチコック作品自体のキャラクターみたいに自動人形がかってくるのだな。
ティッピ・ヘドレン役のシエナ・ミラーも別に似てはいないのをブロンドや服装などヒッチコック好みのタイプにはめ込んでいるようで、はまりきれずにはみ出てくる部分が、おそらく監督の一方的なイメージに縛られたくないというヘドレンの欲求に見合ったものなのだろう。



本ホームページ


ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女 - WOWOWオンライン

The Girl - IMDb

ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女 - ウィキペディア

7月2日(水)のつぶやき

2014年07月03日 | Weblog

そりゃセクハラではなくて犯罪。うっとうしいけれど、訴えて判例作った方がいいと思う。 #ss954


「二百三高地」は同じ笠原和夫脚本・舛田利雄監督の「大日本帝国」公開当時右翼映画と叩かれましたな。笠原和夫インタビュー集「昭和の劇」を読むと、ものすごい調査と思索の末に作られていて、特に後者はすべての登場人物が天皇について何らかの発言をしているように心がけたとわかる。 #ss954


あれ、ばりばりの中華ナショナリズムの歌詞なのだそうですけどね。 @oiitomotomo  ここでプロジェクトAのテーマだったら笑うのに!!!#ss954


映画「悪の法則」は麻薬取引にまつわる恐るべき世界を暗示的な描写を駆使して描いていて、暗示に徹しているからわかりにくくもあって賛否割れましたが、アタシは怖かったあ。 #ss954


アメリカが中南米を反共化するために各国の軍人などに拷問・尋問法を教える学校というのがあったそうです。「反米大陸」による。 @KuranaStarling まず、貧民層の青年が警官になり、そこで拷問や誘拐を学んで、辞めて、麻薬カルテルにリクルートするそうです。#ss954