音楽がもっぱらピアノ曲を使っていて、それもブルグミュラーのやや程度の高い練習曲が実際に劇中で演奏されたりする現実音に近い扱い、グールドによるゴールドベルク変奏曲と天から降りてくるようなBGMとして併用されている。
前にカンヌで審査員特別賞をとった「トウキョウソナタ」もドビュッシーのピアノ曲を使っていた。カンヌで入賞したかったらピアノ曲を使うといいのかな。
この場合、子供にピアノを習わせるということが社会的ステイタスになっているわけで、両家の生活水準の違いを至るところで見せる、というか、高所得者というのはこういう生活しているのかと思って見ていた。子供がぴらぴらのシートみたいな鍵盤を車の中で弾いているとちゃんと音が出ている。貧乏していた武満徹が紙のピアノで練習したというけれど、見かけは似ていてもえらい違い。
ハリウッドで再映画化が決定したと伝えられたが、別に有難がることではないだろうと思うけれど、この場合相当に違うアプローチになるのが予想される。病院相手の訴訟ももっとごりごり争うことになるだろうし、片方の家で両方の子供とも育てたらどうかという提案ももっと吟味されるだろう。
現在公開中の「もうひとりの息子」だと取り違えられた子供がそれぞれイスラエルとパレスチナに分かれて育てられるというところから葛藤が始まるというが、いずれにせよこの日本映画みたいに葛藤をごく曖昧にするというのは他の国ではあまりないだろう。それも必ずしも逃げではなく積極的に曖昧さを選んでいるようなところがある。
福山雅治が実際は独身というのがニュートラルな視点持つひとつのポイントにもなっていると思う。
言い換えると、他の国の事情に合わせていくらも作り換えが可能なわけで、それ言い出したら子供を取り違える話などいくらでもあるではないかという気もするし、「ワンダフルライフ」のリメークも実現していないわけで、まあ生暖かく見守るだけだろう。
子供を送り届けるときに走る送電線の鉄塔が立ち並ぶ何も生えていないがらんとした畑の中の道を車が走る場所が、あとになって地面をフレームに入れないで電線だけのアップになる。一種の荒廃感から両者がつながる関係になるシンボリックな表現に見えた。
先日「凶悪」を見たばかりなので、リリー・フランキーに加えてピエール瀧が法廷に出てくるので何をするのかと思ってしまった。そういえば、グールドのゴールドベルクはもちろん「羊たちの沈黙」のレクター博士の愛聴曲でした。
(☆☆☆★★★)
本ホームページ
公式サイト
そして父になる@ぴあ映画生活
そして父になる - シネマトゥデイ
前にカンヌで審査員特別賞をとった「トウキョウソナタ」もドビュッシーのピアノ曲を使っていた。カンヌで入賞したかったらピアノ曲を使うといいのかな。
この場合、子供にピアノを習わせるということが社会的ステイタスになっているわけで、両家の生活水準の違いを至るところで見せる、というか、高所得者というのはこういう生活しているのかと思って見ていた。子供がぴらぴらのシートみたいな鍵盤を車の中で弾いているとちゃんと音が出ている。貧乏していた武満徹が紙のピアノで練習したというけれど、見かけは似ていてもえらい違い。
ハリウッドで再映画化が決定したと伝えられたが、別に有難がることではないだろうと思うけれど、この場合相当に違うアプローチになるのが予想される。病院相手の訴訟ももっとごりごり争うことになるだろうし、片方の家で両方の子供とも育てたらどうかという提案ももっと吟味されるだろう。
現在公開中の「もうひとりの息子」だと取り違えられた子供がそれぞれイスラエルとパレスチナに分かれて育てられるというところから葛藤が始まるというが、いずれにせよこの日本映画みたいに葛藤をごく曖昧にするというのは他の国ではあまりないだろう。それも必ずしも逃げではなく積極的に曖昧さを選んでいるようなところがある。
福山雅治が実際は独身というのがニュートラルな視点持つひとつのポイントにもなっていると思う。
言い換えると、他の国の事情に合わせていくらも作り換えが可能なわけで、それ言い出したら子供を取り違える話などいくらでもあるではないかという気もするし、「ワンダフルライフ」のリメークも実現していないわけで、まあ生暖かく見守るだけだろう。
子供を送り届けるときに走る送電線の鉄塔が立ち並ぶ何も生えていないがらんとした畑の中の道を車が走る場所が、あとになって地面をフレームに入れないで電線だけのアップになる。一種の荒廃感から両者がつながる関係になるシンボリックな表現に見えた。
先日「凶悪」を見たばかりなので、リリー・フランキーに加えてピエール瀧が法廷に出てくるので何をするのかと思ってしまった。そういえば、グールドのゴールドベルクはもちろん「羊たちの沈黙」のレクター博士の愛聴曲でした。
(☆☆☆★★★)
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