prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ウィンターズ・ボーン」

2011年12月15日 | 映画
アメリカの貧困層をすごいリアリズムで描く。
17歳の女の子が金策のため軍隊に出願するというのには驚いた。
保護者の承認が要ると言われるのだが、父親は行方不明、母親は病弱、親類縁者もクソ貧乏で精神的にも荒廃しているという調子で、頼りになる大人などまったくいない。
余談だけれど、ジーン・ハックマン(1930年生)は16歳で家出して18だと歳をごまかして海兵隊に入隊したという。今ではうるさくなったらしい。
知っている俳優がひとりもいないせいもあって、作り芝居の匂いがしない。
調べてみると主演のジェニファー・ローレンスをはじめ素人ではないのだが、これだけの芝居を敷きつめられるのだからアメリカの役者の層は厚い。

それにしても裁判の保釈金を借金して、その借金をかたに山林をとられるかどうかという話なのだから、公的なシステムとして滑りだしたらとことん下までいくしかないようになっているとしか思えない。

クライマックスでタイトルの「ボーン Bone=骨」の意味がわかる。
どこか森谷司郎監督・橋本忍脚本の「首」で、埋められた死体から暴行の証拠になる首だけ切り取って鑑識に持っていこうとする異様なクライマックスを思わせる。「正しいこと」を貫くのに世にもおどろおどろしい行為に手を染めなくてはならないという意味で。

ジョン・ブアマンの「脱出」で描かれたのに似たものすごい辺境地帯。あれはジョージア州のアパラチア山系で、こちらはミズーリ州という違いはあるにせよ、ヒルビリーというスコットランド系の人たちが住んでいるという点で同じで、バンジョーが出てくるところも共通している。元はアフリカ系の楽器だったバンジョーがなぜカントリーミュージックのものになったのかは、よくわからない。
(☆☆☆★★)

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12月14日(水)のつぶやき

2011年12月15日 | 映画
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