prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マネーボール」

2011年11月28日 | 映画
複雑なデータ解析と数式から導き出された理論と、人間的な経験とカンによる方法とが対比される、となるとデジタルvsアナログ、論理vs感情、非人間的vs人間的という図式のドラマになりがちなのだが、実はどちらも人間性の表れと言う点では同じと思える。
将棋や碁、チェスといったゲームを非人間的という人はいないだろう。

まず「個人」がいてさまざまな属性=個性があり、それらが集まってチームを作り、さらにチーム同士が戦ってゲームが成立する、というのが一般的なゲームのイメージなのだが、これをゲーム側から見てみると、ゲームのルールに従って勝利につながる論理展開が見出され、さらに細かく論理が枝分かれして最終的にたとえば「出塁する」という属性が来て、それに合致した選手をチョイスするという順番になる。
主役は個人ではなく、ゲームだ。
こういう視点転換をやってのけたのがビリー・ジーンということになるのだろう。

彼自身選手で多くの属性で高い得点をあげていて、しかし選手としては成績をあげられなかった。各属性の総計がイコールゲームで果たせる役割ではない、というのは人間の属性自体、他者との関わりの網の目で果たしている役割を事後的に割り出したものにすぎないということだろう。

GMという立場は「鳥の目」で、選手は「虫の目」、監督はその間というより虫寄りということになる。何しろビリーはゲームそのものを生で見るということをしないのだから。
アメリカでは野球で一番おもしろいのはGMという考えが定着しているそうだけれど、全体像が見えた方がおもしろいというセンスは地べたで汗を流す、感情にどっぷり浸かるのを快感とする日本とは対照的。

選手のクビを切るとき、じわじわ切るか一気に切るかと訊いて、一気に切ることを求める。実際に切られる側にとっては痛いことに違いないわけで、同情されたってはじまらない。それにしても切る側も早いが切られる側の対応も早い。
ただあとで必ず残るだろう恨みつらみを描写としてはまるで切り捨てているのはないものねだりではあるけれど、気になる。ビリー自身がひきずっているところのものだからだ。

プラピの娘が歌う歌が可愛くて良くできている。
(☆☆☆★★)

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11月27日(日)のつぶやき

2011年11月28日 | 映画
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