prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「チェ 28歳の革命」

2009年01月18日 | 映画
「レッドクリフ PART1」も話半分で終わっていたけれど、こちらは「休憩」と次に出ないのが不思議みたいな終わり方(事実、カンヌでは二部作一挙上映されたそう)。これだけで評価するのは難しい。

全編スペイン語で通している製作態度は立派。英語にしていたら、アメリカの言語帝国主義におもねったことになっていたろう。(後註・この映画、アメリカ資本ではないそう)

エンド・タイトルの一番最後の方に、super16の表示が出る。16ミリフィルムで撮ってエンラージして画面を荒らす効果を狙う技法だから、おそらく国連総会などのモノクロのシーンに使われているのだろう。撮影も兼任したりする監督の、今どき珍しい凝り方。

時制が交錯し、過去と現在が互いに批評しあうような技法は、これがよくある英雄の「成功譚」ではないことをはっきり示している。たとえば現在リバイバル中の「アラビアのロレンス」だと、前半「出世」していく英雄譚の興奮がすごくて、後半ちょっとしぼんだ感じになるのだが、このPART2では多分そういう具合にはならないだろう。

ベニチオ・デル・トロは外観も似ているけれど、人格的な大きさを表現するのに成功しているが、ちょっと若さが足りない。ゲバラが革命のイコンになったのは、夭逝したため、若く純粋なままイメージを固定できたせいがかなり大きいと思うので。




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