prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」

2008年12月06日 | 映画
ありもしないカメラを相手にやたら熱演するバカ役者の話、という意味で「マジックアワー」と通じるのだが、俳優が監督しているせいか、やや「映画」ではなく「芝居」の方にウェイトがかかっている。また、映画にせよ芝居にせよ、もともとあまりハッピーなものとして扱っていない。

いわゆるアカデミー賞的演技の代表であるところの障害者演技をネタにしているのがアブないと同時に、どこまでやっても「本物」にはなりきらない相手をどう表現するか、という一種の演技論にもなっていて、「戦争」の悲惨さなり破壊なりを映画で本当には表現できないのも同様で、バカ映画の装いはしていても、終盤などちょっと映画の流れが渋滞するくらいリクツっぽくなる。

子供の扱いなどハリウッド的偽善臭のおちょくり方は相当なもの、金儲け第一主義の描写など悪趣味だがリアル。メタボハゲのプロデューサーをやっているのが誰なのか、最初わからなかった。ほか、スターのカメオ出演かと思うと意外とみっちり芝居させている例が多い。
ほか人種差別、出身者差別ネタに加え、スプラッタも交えて悪趣味たっぷり。
(☆☆☆★★)


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トロピック・サンダー/史上最低の作戦 - goo 映画

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