prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「カンフーハッスル」

2005年01月26日 | 映画
画面はまるっきりマンガだけれど、中身は勧善懲悪ではないのだね。
最初に出てきた悪者があっさりもっと悪い奴らにやられてしまう、チャウ・シンチーは初めワルぶって出て来て最後に改心、というか変身する、スラムに住んでいた貧乏で冴えない連中の中から達人が続々と現れる、という調子で、劇中の人物の扱いが大きく変わっていて、悪玉善玉が必ずしも初めからはっきりしていない。
だからスッキリしないかというと、そんなことはなくて、クライマックスで雲が仏の姿になって、巨大な掌で問題を解決するあたり、案外マジメに仏の救いを描いている感じ。CGを多用していても、ハリウッド式とは一味違う。

チャウ・シンチーの英語名がStephen Chowというのは、なんか変な感じ。

車の中で大家の妻が刺客を威嚇する動きが、そっくりそのままブルース・リーなのが可笑しい。

長部日出雄「紙ヒコーキ通信」によると、最後の暗殺剣変じて蓮の花になる場面は、お釈迦様とその弟子が元だろうとのこと。
(☆☆☆★)


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偽札

2005年01月26日 | Weblog
スーパーで旧一万円札を出したら、じいっと見て確認していた。当局からの指導なのだろうが、よほど駆け込み的に偽札が流通しているのだろう。

ソウルで420万円も偽札を使った男の自宅捜査の後、どうなったのだろう。普通考えて、“知らなかった”で済む量ではないし、第一それほど大量の現金を外国に持ち出すこと自体、変ではないか。

何だか、韓国・朝鮮がらみの記事になると、いつも奥歯に物がはさまったような表現になる。

「誰にでも秘密がある」

2005年01月26日 | 映画
三人姉妹とイ・ビョンホンとのそれぞれのアフェアの経緯が時間が行きつ戻りつして、同じ出来事も姉妹によって違う角度から繰り返し描かれる。それぞれのパートの区切りに、姉妹の似顔のアニメやバルザックなどの箴言が出てくるのが目印になる。キューブリックの「現金に体を張れ」以来、「レザボア・ドッグス」などでも使われた技法。

こうすると、それぞれの場面が姉妹の主観に添った描き方になるので、ビョンホン扮する男が何を考えているのかわからないのがミソ。姉妹のみならず、弟まで彼か関わる事で幸せになるのだから、「テオレマ」のテレンス・スタンプみたいだなと思っていたら、なんとこれが大当たりだったので逆に驚いた。

ずいぶん韓国の映画人は幅広く勉強しているみたい。
(☆☆☆)


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