prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ポロック」

2003年12月23日 | 映画
ポロックが自転車走らせながらビールあおって(これもれっきとした飲酒運転にあたる、ラストへの伏線)転んだり、二年間禁酒していながらいきなりすごい勢いで飲み出してテーブルをひっくり返したりするあたり、アル中の描写としてはおどろおどろしくない分リアル。エンドタイトルで歌っているトム・ウェイツも喉潰すくらいの酒呑みだが、もってますね。

社会性がなくて、なまじっか才能ある(ちゃんとそう見える)分、扱いにくいったらない主人公。夫婦ものとすると、要するに奥さんの支えが途切れたとたん破滅するわけで、そうだろうなあと思わせる。

ずうっと曇天狙いで撮っている。前半の安アパートのセットの壁などの質感が見事。アクション・ペインティングの再現もよくできている。画商がエド・ハリス夫人のエイミー・マディガンで、浮気相手の役なのだからひねった楽屋落ち。
(☆☆☆★★)


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