松原洋一・UAG美術家研究所

近世から明治中期頃までに活動していて、ネット検索しても出てこない画家を中心に紹介しています。ただいま宮城県を探索中。

狩猟や漁業を主な題材にした千島春里

2018-07-13 | 画人伝・北海道

アイヌ漁労図 千島春里

文献:蝦夷風俗画展「アイヌ風俗画」の研究-近世北海道におけるアイヌと美術、アイヌ絵

アイヌ絵の作者は経歴不明な絵師が多いが、千島春里(不明-不明)に関しても経歴を知る資料が少なく、さらに複数の名前が知られている。それは、画風の変化や展開にともなって本人が名前を変えたものなのか、あるいは師弟関係にあった別人のものなのかも定かではない。つまり、千島春里は、伊藤鳳鳴、松前春里、藤鳳鳴、藤原與昌などの印章落款を持つ作品の作者の総称といってもいい。活動期を推定できる明確な資料はないが、19世紀初頭に、おそらく松前を中心に、72歳まで活動していたと推測されている。名前が公的な記録にはみられないことから、武家ではなく町絵師として活動していたと思われる。

千島春里がもっとも多く描いた画題は、狩猟と漁業に関するものである。先達や同時代の絵師の影響を受けた作品なども多数みられ、サハリンの風俗など実際には見聞できなかった風俗も描いている。また、フクロウの飼育や酔っ払って帰る様子など、春里独自の画題と見られるものもある。

千島春里(不明-不明)
伊藤鳳鳴、松前春里、藤鳳鳴、藤原與昌などの別号がある。作品には「蝦夷人之図」「熊狩図」「狩猟図」「酔帰之図」「狩猟之図」「アイヌ夫婦梟飼養の図」「蝦夷風俗屏風」「アイヌ漁労図」「蝦夷人魚突之図」「蝦夷人鹿狩之図」「アイヌ人物図」などがある。



アイヌ ネノアン アイヌ (たくさんのふしぎ傑作集)
福音館書店
『絵画(レビュー感想)』 ジャンルのランキング
この記事についてブログを書く
« 特異なアイヌ像を描いた雪好 | トップ | 山形から松前に渡りアイヌ絵... »
最近の画像もっと見る

画人伝・北海道」カテゴリの最新記事