松原洋一・UAG美術家研究所

近世から明治中期頃までに活動していて、ネット検索しても出てこない画家を中心に紹介しています。ただいま北海道を探索中。

薩摩出身で京都で活躍した画僧・楊月和玉

2018-04-03 | 画人伝・鹿児島

重文 四季山水図屏風(左隻) 楊月和玉 
画像提供:東京国立博物館 http://webarchives.tnm.jp/

文献:薩摩の絵師、美の先人たち 薩摩画壇四百年の流れ、かごしま文化の表情-絵画編、薩摩画人伝

秋月等観と同時代に活躍した薩摩出身の画僧として楊月和玉がいる。楊月の詳しい画歴は伝わっていないが、『本朝画史』などの画伝類によると、京都の笠置寺に住み、周文、雪舟を師とし、牧谿風の水墨画を学んだとされている。同郷の秋月が雪舟のもとで修業したのち、帰郷して郷里で雪舟系水墨画を広めたのに対し、楊月は京都を中心に活動し、薩摩には帰ってこなかったのではないかと思われる。楊月の作品は鹿児島では確認されていない。

楊月の作品は数点残されているが、その中でも代表作とされるのが、国の重要文化財に指定されている「四季山水図屏風」(掲載作品)である。この作品は、六曲一双の屏風形式で、伝周文筆「四季山水図屏風」のような、夏、冬の山水を基本とし、その中に、瀟湘八景図的な水景を描き込んでおり、穏やかで潤いを持った楊月の画風がよくあらわれている。

楊月和玉(不明-不明)
室町時代後期の画僧。薩摩生まれ。号は和玉。周文、雪舟に師事し、牧渓の画法を学び、山水・人物・花鳥をよくした。京都府笠置寺に住み、笠置楊月とも呼ばれた。作品には東京国立博物館蔵の重文「四季山水図屏風」をはじめ、岡山県立美術館蔵「蜆子和尚図」、宝寿院蔵「瓜・筍図」、ボストン美術館蔵「枇杷に栗鼠図」などがある。

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