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「さくらえび」 さくらももこ 新潮社

2019-11-28 | 読書

 

面白うてやがて哀しき ももこさん。
 
さくらももこさんの本は娘が集めて読んでいた。うちに似合わない優しい娘は、本は好きだが私とは方向が違う。殺人事件やイヤミスは勧めても「いいです」と断られる。
昔「もものかんづめ」とか「さるのこしかけ」とかいう面白い題名の本を貸してくれた。
雑食の私の部屋には家族からオススメというのが集まってくるので読んでみる、家族だって好きな本を勧めて「おもしろかったね~」といわれると嬉しいし言いたいので読む。
息子からきた「三国志」でも。
 そのころ「ちびまるこちゃん」を書いた人は面白いがずいぶん元気な人だという感想だった。
 これも読み易くて面白かった。
娘の部屋には今も本棚が半分置きっぱなしになっている。「マンションは狭いから」といっていたがマンションを抜けた今も持って行かないのはどうもこれ確信犯だ。
さくらももこさんが並んでいたので、読もうと思って入ってみら、この「さくらえび」だけが残っていた。
お気に入りは持って行ったらしい、原田宗典さんも江國香織さんもハルキもない。

 「さくらえび」は2000年問題が出てくるのでその頃発刊されたものらしい。
やはり家族の話題が占めていて、これがまた特にお父さんのヒロシが面白く、ももこさんも辛らつに面白がっている。どこにでもありそうなのだが、いやまぁそこまではとは思うほど、ももこさんはヒロシのしでかしたことを、輪をかけて傷口を広げ、それをまたももこさんいい人なので回収して回る。
コイを買った話が冒頭に出てくる。水槽で飼えるコイ350円というのをテレビで見てほしそうにした父ヒロシ、「おもしろいかもね」と大きな水槽があったのをももこさんが思い出した。みんなでいそいそと買って来たのが12ひき、どうせ死ぬのも居るから。と飼い始めた。
 後日談。
 みんな死んだ。
その上まだ大きな水槽があった。先のには金魚すくいでとってきた金魚を入れ、大きい方でアロワナなんかいいかもと思っている
。まぁそんなてんやわんやの様子が面白く、それも実話らしい。
ヒロシはドジで世話が下手。ももこさんは大好きな金魚すくいの奥の手を別項で教えてくれている。
でも最近金魚すくいって見ないなぁ。子供は大きくなったし夏まつりもなくなったし。金魚すくいはしてみたいし綿アメも食べたいのに。

サンルームでバーベキューをした話もおかしかった。よそで食べたバーベキューってうらやましくおいしいものだ。
できれば私だって気を使わないおうちバーベキューがしたい。
 最近流行りらしく、食材や道具まで貸し出す手ぶらバーベキューというのが近くの公園に出来ている。
飯盒炊爨なんて今は昔、知っているだけでも素晴らしい(自画自賛)

ももこさんちでもそんなこんなでサンルームがいいと大騒ぎでバーベキューの用意をした。
どこでもさがせばそれらしい道具くらいはある。ところがいざ始めてみると煙がこもって味がおかしい。そこに突然雨。扉をしめ切って煙に巻かれつつ奮闘して時が無駄に流れた、、煙くて涙も流れた。

その他、チームを作って発刊した「富士山」という雑誌から、旅の記録やゲストの話もある。

 精力的に書き、歩き、両親や姉や息子とのあれこれをしみじみと伝えてくれた。愉快に、思い当たるなにげない日々を「ちびまるこちゃん」に託してテレビから届けてくれていた。
このアニメの登場人物にはたくさんのファンがいるそうで、ポンポコリンの歌はうちでもみんなで歌った。

 夕食とともに定番になった「ちびまるこちゃん」と「サザエさん」どちらも作者はいなくなった。 ももこさん53歳で逝ってしまった、若すぎる。
 
 
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