「クモの巣を払う女」を見ました。
私の好きな小説「ミレニアム」の第四部の映画化、今月封切された
ものです。
著者の著者スティーグ・ラーソンが死去したためこれでミレニアムは
終了と思われていたが、実は未完の続編があり、事件記者経験を持つ
ダヴィド・ラーゲルクランツが第4部を執筆したものの映画化です。
日経新聞でも映画評論家が取り上げてました。
主人公のリスペクトは少し暗く、通常ではないが、天才ハッカー
しかも格闘も強い、ダークヒーローのような影の部分がある。
本を読んでないと、細部のつながりがわからないかもしれませんが、
アクションあり、リスペクトの強さ、ITがらみの場面展開が面白い。
アメリカのような派手さなはいが、淡々とストーリ―展開していく。
それと映像の作り方が面白い。
リスペクトを助ける記者、前作まではこの人も主役的な立場だったのが
今回は完全に脇役。
その二人の久しぶりに出会いの場面がユニーク。
通りを隔てて、ガラス張りのエレベーターが距離を置いて対峙する。
その二つのエレベーターに二人が空間を隔てて、携帯電話で話をする。
面白い。なんかこの映像には引かれてしまう。
2時間程度ですが、2時間半程度にして、お金をかけると素晴らしい映画に
なったのにと思いますね。007的な作り方をするといいのにな。
映画『蜘蛛の巣を払う女』 ハッカーの闘い視覚化
近年の北欧ミステリー小説人気を牽引(けんいん)するスウェーデン発「ミレニアム」3部作は、著者スティーグ・ラーソンが出版前に死去したためこれで終了と思われていたが、実は未完の続編があり、版権管理の遺族の依頼で、事件記者経験を持つダヴィド・ラーゲルクランツが第4部を執筆した。
それを「ミレニアム」の映画化『ドラゴン・タトゥーの女』の監督デヴィッド・フィンチャーが製作総指揮に廻(まわ)り、『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスが監督、続編が生まれた。
母を虐待した大物スパイの父を憎み、虐待男を痛めつけて憂さを晴らしている天才ハッカーのリスベット(クレア・フォイ)は、世界中の防衛システムに侵入可能なプログラム、“ファイヤーフォール”の製作者から米国家安全保障局(NSA)が持ち去ったそのプログラムを取り戻すように依頼を受けて成功する。ところが彼は死に、プログラム解読の暗号を記憶する自閉症の幼い息子が残された。
リスベットは何者かの襲撃を受けてプログラムを奪われるが、前作で協力し合ってたまにメールで連絡をとるミレニアム誌の記者ミカエル(スヴェリル・グドナソン)の調べで、犯人は彼女の双子の妹カミラ(シルヴィア・フークス)が父から引き継いだ悪の組織“スパイダーズ”だったことが判明した。
視覚化が難しいハッカーの犯罪を、見た目がまるで違う双子姉妹の骨肉の争いを通してわかり易く語る巧みな計算。凍(い)てついたストックホルムの寒さに震えそうなスリリングなアクション・シーンに息をのむ。
ミカエルがガラス張りのエレベーターに乗り、道路を隔てて建つ建物に目をやれば、エレベーターの中に彼を見つめるリスベットがいた。久しぶりの再会だが互いに触れられない。まるでコンピューターの中の出来事のような再会がやるせない