工作台の休日

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祝! T-SQUARE 45周年 記念コンサートに行ってきました

2023年10月29日 | ときどき音楽
 いやあ、4時間ですよ。一つのバンドでノンストップで4時間のライブなんてなかなかないですよね。それが21日に開催された「T-SQUARE 45th Anniversary Celebration Concert」の感想でございます。本稿ではスクエアと略しますが、スクエアのライブで3時間とか、年越しだと休憩挟んで4時間近いのはありましたけど、濃いライブでしたね。一応印象に残った楽曲、場面をご紹介・・・。国際フォーラムのホールAなんて、以前ケニー・Gのコンサート行って以来かも。
 オープニングは足立区立西新井中学校吹奏楽部と卒業生による「Crazy Beach」と「宝島」でした。ここに伊東たけしさん、山崎千裕さんが加わる形でした。「Crazy~」はトリッキーなところがあって管楽器の生徒さんだけでなく、打楽器パートが大事な仕事をしているように思います(私の席から打楽器パートが良く見えたというのもありますが)。ブラスアレンジされた楽譜も出ている楽曲だそうですが、今どきの中学生のみなさん上手です。「宝島」についてはオリジナルとは「別物」と思っています(悪い意味ではなく、作曲の故・和泉宏隆さんもいろいろなバージョンで演奏されています)が、こちらもとても素晴らしい演奏で、ソロの女子生徒さんにはライブ後のSNSなどでも賛辞が寄せられていました。オリジナルも偉大なので、改めてオリジナルも聴きたくなりました。
 そしてメンバーが揃ってからですが「Stiff Nails」を持ってくるとは・・・。一時期コンサートのオープニングSEによく使っていたので、これだけで懐かしい!と感じるファンも多かったと思います。今回は各パートから3人ずつくらいな感じでの参加で、そこから各年代に合わせて演奏という感じでした。みんな合わせると総勢20人近くなるのですが・・・。
 今年のアルバム中心の楽曲からスタートして「THE SQUARE」時代の演奏に。オープニングでも登場しましたが、久々登場の安藤正容さんに大きな拍手です。この日も演奏された「A Feel Deep Inside」からこのバンドは始まりました。この曲、今聴いても新しさがあります。オリジナルからは伊東さん、御厨裕二さん、仙波清彦さんが入っていましたが、デビューの時の楽曲を大勢のお客さんの前で、45年後にまた演奏できるというのは大変なことですよね。御厨さんの演奏、私は久しぶりだったのですが、デビュー当時のギター二人体制を味わえました。「THE」のメンバーは「It's Magic」で締めくくりましたが、ベースの田中豊雪さん、ドラムの長谷部徹さん、キーボードの久米大作さんの時代でもありまして(正確には長谷部さんが加入したのはキーボードが和泉さんになったときですが)、私も1980年代にタイムスリップです(中二病真っ只中だけど)。
 そこから一気に時代が下り、宮崎隆睦さん、松本圭司さん時代に。宮崎さんはリリコン(!)での演奏。まだ使えたんだ、というのが驚きでした。そういえば宮崎さんは私と同世代で、スクエアを知るきっかけとなったのも伊東さんが「リリコン奏者」としてサントリーのCMに出演されていた1984年でしたから、そのあたりを意識されていたのかも。ベースはオリジナルの須藤満さん、ギターは安藤さんではなく外園一馬さんでしたし、ドラムも則竹さんが参加できず坂東慧さんですが、本田さん、和泉さん以降で、その後はあまり演奏されてこなかったレアな時代となってしまったスクエアに光が当たりました。
 ここから「オレカマ」に。打楽器3人(仙波、坂東、長谷部)の超難曲で、周年ライブといえばこれなわけです。仙波さんが「あんまり言ってこなかったけど、青山純にささげます」と元メンバーで今は亡き青山純さんの名前を出されたことが印象的でした。初期スクエアはドラムが固定していなくて、さまざまなメンバーが参加されています。その中の一人に青山さんもいました。仙波師匠、相変わらずニワトリやブタの玩具で音を出しつつ、真面目にやるところは正確無比ですから本当にすごい。最近ファンになった方は「この人、スクエアで何をしていたのだろう?」でしょうが、ぜひ「ロックーン」という初期のアルバムの「複眼人生」をお聞きいただければ。私もモデラーとして遊ぶところは遊びつつ、正確無比に作りたい、と思うのですが…。
 45年もバンドが続くといろいろな趣向もあって、昨年のアルバム「WISH」の楽曲とダンサーとのコラボもありました。こういう(歌の無い)音楽ですから、さまざまなジャンルのコラボもできるわけで、もともとYouTubeで試みられていたと聞きました。WISHのメンバーですのでベースは田中晋吾さんです。
 続いては現メンバーと渡辺香津美さんとの演奏でした。渡辺さん、去年のアルバムからゲスト参加されていて、これまではスクエアとは近いところにいながらも共演ということはありませんでしたので、個人的には奇跡のような瞬間でした。曲がスクエアでありながら演奏は渡辺香津美さんだから出せる音という感がありました。なぜか伊東さんと渡辺さんのズボンの柄が同じと言うのも面白かったです。ここではキーボードに河野啓三さんも参加されていました。
 さらに渡辺さんの次は鳥山雄司さんですよ。和泉さんとの「共作」で実現したのですが、この方もスクエアのステージに立つということが想像できなかったので・・・それだけに和泉さんの不在を感じてしまうのでした。鳥山さんのライブは何度か観に行っていますが、相変わらずかっこいいなあ。
 まだ終わりません。本田雅人さんとそのバンド「B.B.Station」が本田期の代表曲で登場。「Ciao!!!」なんてスクエア名義のステージで聴いたのは1996年以来かも。本田さんの「周年」ライブの登場も脱退直後の1998年・20周年以来です。
 ライブ本編は再び今年のツアーメンバーに戻って数曲演奏され「Omens~」でみんなジャンプして〆となりました。当然アンコールは「JAPANESE SOUL BROTHERS」に「TRUTH」ということで、いやあ、振り返るだけでこんなに字数を費やしちゃいました。
 ライブ後に参加されたミュージシャンがSNSにさまざまなことを書かれていたのを読むのもこういうライブの楽しみであります。外園一馬さんは渡辺香津美さんからX(旧ツイッター)で「外園君、サウンドグッド」とお褒めのコメントをいただいたということで、これは嬉しいですよね。本田さんは動画でリハーサルから本番ステージまで紹介されていて、出演者ならではの目線の映像を楽しみました。本田さんは常々、関東にはフュージョンのファンは800人しかいないというのが持論で、国際フォーラムのホールAなんか押さえて大丈夫かと思ったと言っていましたが、この日は二階までたくさんのお客さんが入りました。
 今回は松本さん、本田さんが参加と言うこともあり、お二人の時代にフォーカスされていたと思うのですが、個人的には2000年代以降にも名曲が多いので、こういう機会に、もちろんいつものツアーであの頃の曲を演奏してほしいなあという気持ちもあります。
 周年ライブについては20周年から5年ごとに毎回足を運んでおります。雨の野音で「これからはこのメンバーがスクエアだぞ」という意気込みのようにも感じられた(でもそのあと数年でバンド崩壊の危機にも瀕してしまった)「PRAISE」が印象的だった20周年、30年の歴史をぎゅっと凝縮したようなライブで「オレカマ」が圧巻だった30周年、東京と大阪で別の内容となり、台風の近づく大阪で「どうやって東京に帰ろうか」と不安の中で観た35周年など、思い出深いです。
 正メンバーが二人と言うことで、キーボードでは在籍期間が短かった松本さんが、ギターもサポートの外園さんが活躍する場面が多く、大役だったのでは、と思いました。お二人の演奏はもちろん素晴らしいのですが、キーボードは和泉さんの不在が大きいなあ、と改めて感じます。スクエアからの「引退」をされた安藤さんは「僕がいない間に随分にぎやかになって」と言ったところ、伊東さんから「誰のせいでそうなったんだよ(笑)」と返されていましたが、メンバーの固定しないスクエア、を脱却すべく、ついにオーディションでメンバーを募るそうです。安藤さんに「応募したら」と周りが突っ込んでいるのが見えましたが(笑)。作曲ができる方も併せて募集というのが、楽曲提供は年々減少していましたが、メロディメーカーの安藤さんの不在を象徴するような感もあります。じゃあ私もって、いやあ「エア」ならできるんですけど、やっぱダメですよね。長い歴史を持つバンドゆえファンの年齢層も高めではありますが、新しいメンバーを入れていくことで、歌の無いポップスという独特ななジャンルが若い世代にも新鮮な音楽となったらと期待しています。


当日購入したステッカーと手ぬぐい。手ぬぐいはとても賑やかな柄です。

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