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陰陽師 瀧夜叉姫/夢枕獏

2006年09月05日 | 本。
 陰陽師 瀧夜叉姫 上

最近読んだ、夢枕さんの陰陽師シリーズです。
上下巻の長編物。
ミステリ仕立てですよ。

物語の始まりは、安倍晴明がまだ子供の頃。

陰陽道の師匠である賀茂忠行に従って、夜道を歩いていると、
向こうから怪しげな影がやってきます。
どうやら晴明以外の従者たちには見えていないよう。
晴明が師匠にそのことを告げると、
師匠は従者たちに 黙ってじっとしているように、と言って結界を張ります。
じっと息を殺していると、やってきたのは無数の鬼たち、
百鬼夜行とよばれる、鬼の行列でした。
鬼たちは人のにおいに気づきましたが、
見えないものはしょうがない、と諦めて行ってしまい、
賀茂忠行たちは事なきを得た、と言う話。

この話、陰陽師シリーズに度々出てくるのですけど、
今回は、その鬼たちが向かう先が絡んできます。
その出来事から月日は流れ、
陰陽師・安倍晴明のもとへ、忠行の息子・保憲が訪ねてきます。
聞けば、ある人の顔の出来物をみてほしいとか。
その出来物が普通ではないと言う。
その人の出来物と、近頃都を騒がせている盗賊、
そして晴明たちが出くわした百鬼夜行…。
一見関係のない出来事が、絡み合って一人の人物に、
そして都を滅ぼす陰謀へと繋がります。

いつもの
  「ゆこう」。
  「ゆこう」。
  そういうことになった。

が少なかったのはちょっと残念ですが、
源博雅様が かっちょよかったので良しとします・笑
相変わらず、言葉の一つ一つが簡素で秀逸。
生生しい描写もあるのですけど、(鬼が人を食べるシーンとか、傷の描写とか。)
ただのグロテスクなだけのシーンになってしまわないのは
言葉遣いのせいかもしれません。

やっぱり好きです、陰陽師。


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4 コメント

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Unknown (たま)
2006-09-05 20:28:42
読んだ読んだ。

落語では 信太の狐と人の合いの子。

葛の葉の別れ。

恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉

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Re (竹子)
2006-09-05 22:45:24
>たまさん

読まれましたか!

狐の子というのはよく聞きますよね。

落語もあるんですか。

面白そうですね~
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Unknown (たま)
2006-09-06 23:04:41
桂枝雀の(惜しいヒトを亡くしました。)天神山という落語です。人情話で 思わずホロリとさせるような、彼の爆笑ネタだったり。

落語もいいですよ、若いヒトはあまり興味が内容でさみしいです。
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Re (竹子)
2006-09-07 21:14:06
>たまさん

桂枝雀さんの天神山ですね。

CDか何かないか、探してみます!

落語はあまり聴く機会がないのですが、

「寿限無寿限無…」が暗唱できる、という

あまり役に立たない特技があります・笑
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